ピークオイル論とは?石油の生産量はもう限界か

ピークオイル論には、供給面と需要面の2つの説があります。一つ目は、地球物理学者のM・キング・ハバード氏が説いた供給面からのピークオイル論です。世界の石油生産量が頂点に達し、その後の採掘可能な原油埋蔵量が減少することを唱えています。石油は非再生可能エネルギーであり、石油の供給量に限りがあるため、この説が注目を浴びています。そのため、脱石油へ向けてエネルギー源の多様化に取り組む姿勢がとられてきました。

ロシアのウクライナ侵攻で石油回帰の動きも・・・効果は限定的か

ロシアのウクライナ侵攻からエネルギー不足が起こり再評価されている石油ですが、産油国のサウジアラビアですら太陽光発電に本腰を入れて取り組むほどで石油で儲けられる時代はそう長くは続きません。

21世紀になってからは、需要面からピークオイル論がささやかれるようになりました。

国際エネルギー機関 (IEA) は2010年、世界の在来石油の生産量は2006年にピークを迎えていた可能性が高いとの報告書を発表。報告書によれば、在来石油の生産量は同年の1日あたり7000万バレルをピークに、6800万~6900万バレル前後で停滞する可能性が高いとしています。

過去60年間、石油の需要はほぼ右肩上がりに増加してきて現在の世界の需要は1960年の5倍近い。しかし、需要の増加は今世紀に入ってからは見られていません。

第1の変化の要因は、人々の移動の在り方。観光客の移動は数年後にはコロナ危機以前のレベルに戻りそうだが、ビジネス関係の移動はリモートワークの普及で激減する可能性があります。一部の推計によると、ユーロ圏では4分の1以上の仕事が自宅でこなせるという。

出張の相当部分もビデオ会議に取って代わられるかもしれない。一部の企業活動は世界的なサプライチェーンに対するショックを緩和するため、国内回帰が進む可能性もある。非熟練労働者への依存度を低下させる新しいデジタル技術の登場によって、生産を世界中に分散化させようとする企業の意欲も低下しそうで石油需要は長期的に増えそうもない。

第2の要因は先進国の人口動態です。

石油の需要が増えない要因は先進国で本格的な人口減少が始まったことで、エネルギー消費量が落ちてきたからと考えられます。

英医学誌ランセットによると日本、スペイン、イタリア、タイ、ポルトガル、韓国、ポーランドを含む20か国以上では2100年までに人口が半分以上減少し、中国の人口も今後80年間で現在の14億人から7億3000万人に減ると予想。

2100年の世界人口は88億人となり、現時点で国連が算出した予測よりも21億人少なくなるという。

国連の人口予測は途上国がこのまま人口増加していくことを前提としているが、途上国の生活水準が上がると多くの子供の数を育てられなくなるために出生率が下がる。つまり世界人口の増加ペースは予想されたよりもかなり遅く実際は将来の世界人口は予想よりも少なくなる可能性が高い。また生活水準が高い先進国の人口が急減するためにエネルギー消費量は減少に転じる可能性もあります。

第3の理由は省エネや再生可能エネルギーへのシフトです。

石油消費量の半分を占める自動車の燃費は飛躍的に向上して、EV化も進みつつあります。エネルギー生産も先進国は再生可能エネルギーや原子力発電の割合を増やしています。

2021年の新型コロナをきっかけに人の移動量は減少。2022年のロシアのウクライナ侵攻によって世界経済は減速します。エネルギーは非ロシア産へのシフトが進み、再生可能エネルギー、省エネ技術はさらに進化します。

再生可能エネルギーで賄いきれない部分はアメリカのシェールオイルや中東の石油で一時的にはカバーするでしょう。

しかし、一方でウクライナ危機によって世界的なエネルギー価格の高騰が起こりエネルギー生産の損益分岐点が上がることで新しい技術への投資が進んで長期的には化石燃料からのシフトが進んでいくでしょうからロシアが国際社会に復帰して自国のエネルギーを制裁なく輸出できる状況になったときには世界のエネルギー需要自体が減少しており、あまり高い値段で売れなくなっている可能性が高いです。

つまり現在のエネルギー価格の高騰は一時的なものとなり長期的に人類のエネルギーコストを下げる結果となるでしょう。

ネットの声

インフレがピークアウトするためには、現実的にロシア産のオイルやLNGが無いと厳しいか。利上げで抑え込むにはまだ甘い。

長期的に自然エネルギーの投資も原発投資もこれから更に進むとしたらさらに石油の使用量は少なくなるし、短期的には米は11月の選挙までにインフレを抑える必要があるし、なりふり構ってられないしね

価格が高すぎると代替が使われたり節約されたりして結局適正価格に戻っちゃうんじゃないかなぁ

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