インフレは2種類あるコストプッシュインフレとディマンドプルインフレの違い

現在世界的に問題となっているのが「インフレ」ですが実はインフレには2種類あります。またインフレ自体は経済的には悪いものではなくインフレの逆のデフレに苦しんできた日本は緩やかなインフレを目指しており、それが世界のスタンダードとなっています。

ではなぜ世界的にインフレが問題となっているのでしょうか?

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新型コロナとウクライナ侵攻によって起こった世界的インフレの連鎖

インフレには2種類あります。コストプッシュインフレとディマンドプルインフレがあります。コストプッシュインフレは原材料費などコストの上昇が原因で発生するインフレのこと。原材料や資源を供給する企業が価格を引き上げることによって起こるとされています。人手不足で賃金が高騰した場合も、コストプッシュインフレの原因となります。

これに対して景気の向上に伴い、国民経済の総需要の伸びが総供給に追いつかなくなるために生じる物価上昇をディマンドプルインフレと呼びます。

簡単に言えば毎年2パーセント程度のディマンドプルインフレは好景気の証で良いインフレとされます。

一方でコストプッシュインフレは悪いインフレとされます。

新型コロナ対策に伴う経済的補填として世界各国はお金をばらまきました。その結果景気が過熱してとくに欧米圏ではディマンドプルインフレが起きました。

日本では政府が用意した額が結局使われずに繰り越されたり国民も貯蓄に回す傾向が強く1人10万円配ったもののディマンドプルインフレは起きませんでした。

その後ロシアのウクライナ侵攻が起こり世界的に小麦とエネルギー価格が高騰するコストプッシュインフレが起きます。

ディマンドプルインフレが続いていた欧米圏はウクライナ侵攻や中国のゼロコロナ政策に伴うコストプッシュインフレが重なり物価上昇率は年間5~10%を記録するなど大変なことになっています。

この物価上昇が続くと期待インフレ率という将来を見越したインフレがさらに加速します。

例えばいま昨年500円で買えたものが1000円となったら普通は買い控えが起きインフレは抑制されますが持続的なインフレだと消費者が判断すると来年は2000円となるだろうと考えてさらにインフレが加速するわけですね。

一方で日本はディマンドプルインフレなど起きずコロナ渦からの景気回復は慎重で遅く国内経済はデフレ基調の最中でウクライナ侵攻が発生しているためコストプッシュインフレが生じても欧米圏ほどの物価上昇率は見られません。

ディマンドプルインフレの抑制策は利上げや財政縮小ですが不景気の日本でこれらの対策を行うのは難しく、コストプッシュインフレの原因はロシアなのでこちらも根本原因の解決は難しくなり経済政策の意見は分断しています。

ちなみに消費税の減税は需要を喚起するのでインフレを加速させる恐れがありますので減税するなら軽減税率のところやガソリン税が現実的でしょう。

補助金で価格を抑えるのもいまできる現実的な策ですが、この戦争が続く限りエネルギー輸入国の日本にとって良いことは経済的にほとんどありません。

唯一良い点を挙げると節約志向の国民性はインフレに強いということです。

ネットの声

世界各国の中央銀行が利上げに動く中、日銀は金融緩和を継続する姿勢を示しました。
日銀の目指すディマンドプル型のインフレにはなっていないためというのもありますが、岸田政権の支持率が高いため、政府からの圧力で利上げを行うことがないことも大きいかと思われます。

政府の政策と企業努力でインフレ率を他国よりだいぶ低い2%程度に抑え込んでるのに、それすら許容できないって、そんな国でリフレ政策できるわけないから尚更諦めた方がいいよ。消費者からしたらディマンドプルもコストプッシュも区別付かないんだから

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