ロシアは経済制裁で北朝鮮のようになっていく
中国は独自の国際決済システム「CIPS」を持っていて、中国企業などが人民元建て取引をするのに利用されている。中国は人民元のシェアを上げたがっているのでロシアが人民元を利用するのは歓迎だが、それで欧米から制裁を受けるのは困る。

経済力がなく核兵器と独裁者はある

結局ロシアが人民元決済を使えるのは、目立たず中国が制裁を受けない範囲に限定される。

ロシアの自給自足を信じている人は多い。確かに食料自給率もエネルギー自給率も100%を超える。しかし、現在の世界は北朝鮮という例外を除いて技術輸入に完全に依存した通商連合国なのだ。

機械類は制裁の最初の犠牲者だ。マイクロチップからベアリングに至るまで、あらゆるレベルで外国製部品を使っているのだ。このように、経済制裁は以下の領域で破壊を起こす。

1. 軍需産業 2. 輸送・通信回線 3. 消費財の生産

 

軍需産業から。直感に反するかもしれないが、軍需産業は特に輸入に依存している。なぜか?それは、軍事産業が比較的複雑だからである。例えば、同産業はロシアにおける精密機械製造の主要な消費者であり、これらの機械の80%以上を購入している。

例えば今回の戦争で大きな効果を出した地対空ミサイルや対戦車ミサイルは赤外線は熱源センサー、GPSなどで電子制御されているが、これらの部品はロシア国内で作ることはできない。中国からの輸入だが、これも止められるだろう。中国からしてもこれらの部品を作っている企業は世界的なデジタル機器のメーカーと繋がっていて、ロシアの軍需産業などシェアからするとごくわずかだ。

昔は盛んだった自動車も現在は作ることができなくなっている。

鉄道は、人を運ぶのにも極めて重要な役割を担っている。ロシアの高速道路はひどいものだ。この国をつないでいる。

ロシアは、鉄道車両の生産をローラーベアリングからカセットベアリングに切り替えた。その方が効率がからだ。しかし、ロシアにある3つのカセットベアリングの生産工場は、いずれも外資系で輸入に頼っている。

海外からの輸入は冬は氷におおわれるロシアでは飛行機が重要だが、飛行機もボーイングなどからの輸入がすべてで国産飛行機も部品の供給がなければ作ることはできない。そこで、飛行機の奪取を試みているが、これも部品がなければ修理ができない。

世界で圧倒的な国土の面積を持つロシアは物流が断たれると経済活動は成り立たない。

ロシア衰退の第三の側面は、文字通りすべての消費財の供給が減少することだ。2つの選択肢がある。価格を上げるか、品不足になるかである。当初は、この両方が起こる。人々は新しい価格にショックを受ける。

砂糖のような消費財はもちろん品不足だ。この貴重な品不足商品について、人々が叫び、戦い、議論している映像がたくさん見られる。

穀物メジャーが種を止めたら、種まきができない。F1種だから、取れた種からでは、まともに生産できません。ロシアは砂糖大根の種の95%が輸入、だから、砂糖危機に陥っている。

ロシアでは、有事だけでなく普段から砂糖の消費量は多いようだ。「年間消費量が580万トンに達する世界有数の砂糖消費国」である。寒い地域は甘いものが好きなのだが、手に入らなくなるだろう。

今回の経済危機は、ロシアの歴史上特異だ。まず第一に、現在は他に類を見ないほど高齢化している。これまでの危機の時は、もっと若年人口が多かった。さらに重要なことは、国民のほとんどが自給自足農業の方法を忘れてしまった後に起こる、最初の危機だということだ。自給自足農業は極めて非生産的だ。また、非常に手間と時間がかかる。また、若い人たちには必要な能力が欠けている。経済が好調で石油が高価だった時代には立ち直れたが、このまま経済制裁を受け続けるとロシアは巨大な北朝鮮になっていくだろう。

 

banner
おすすめの記事