自衛隊の中東派遣に賛否両論。アメリカの戦争に巻き込まれる？電気が止まる？！

イランによるイラク国内の米軍駐留基地への攻撃で米イラン間の緊張が一層高まった８日、主要野党からは、政府が先月閣議決定した海上自衛隊の中東派遣の撤回を求める声が高まった。政府は派遣を変更しない方針を示しており、与党も支持する構え。自民党は９日、外交部会などの合同会議を開き、今後の対応を協議するとのことです。

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永田町の反応

自民党の岸田文雄政調会長は

「今後の推移次で外交や、石油をはじめとしたエネルギーの確保、日本の艦船の安全に大きな影響が出ることも予想される」

「リスクが高まっているなら、日本の艦船の安全のためにより重要だ」

とコメント。

中谷元元防衛相は

「イランと米国の双方が自制し、混乱が拡大しないようにすべきだ」と指摘。「（中東地域を航行する）日本船籍の船舶の危険がますます高くなっている」

として自衛隊派遣の必要性を訴えた。

中山泰秀外交部会長も

「日本は米国の同盟国として、精いっぱい、情報戦に対する備えと支援を行うべきだ」

とコメント中東派遣を支持しています。

海上自衛隊に中東派遣命令したことについて、河野太郎防衛大臣「わが国の原油輸入の９割がこの海域を通り日本に入ってくる。船舶の安全というのは日本経済にとっての生命線だ。日本船舶の航行の安全を守り、わが国のエネルギーの供給が途絶えることが万が一、起こらない様に万全の準備をしていきたい」 pic.twitter.com/SgkfcdNv8Y
— Mi2 (@mi2_yes) January 10, 2020

一方、立憲民主、国民民主、共産など主要野党は８日、国会内で国対委員長会談を開き、自衛隊派遣の撤回を求めることで一致。

立民の安住淳国対委員長は

「今の状態で海上自衛隊を現地に派遣すべきではない。閣議決定そのものを白紙に戻す、撤回することの方が正しいのではないか」

とコメントしており、与野党で真っ向から対立しています。

中東ホルムズ海峡に自衛隊を派遣する理由

昨年6月13日にイラン沖のホルムズ海峡近くで、東京都内の海運会社「国華産業」が運航するタンカーと台湾の石油大手、台湾中油のタンカーが攻撃を受け、二隻とも火災が発生した。国華産業のタンカーは砲弾を受けた事件がありました。

中東情勢が悪化すると中東から輸入する石油タンカーに危険性が高まるので警備が必要となります。

日本は、原子力発電の稼働を制御しているので、火力発電に依存しており、石油が入ってこなくなると電気を使うことは出来なくなります。

そのため、石油を安全に安定的に輸入するためには、自衛隊のバックアップが必要というのが政府の説明ですね。

しかし、この説明では不十分です。

理由はアメリカとイランの間で軍事的緊張が高まっており、米軍は中東に対して圧力をかけています。

アメリカ海軍の後方支援役として自衛隊を利用したいという思惑があります。

中東・ホルムズ海峡の民間船舶の安全確保をめざす米国主導の有志連合はバーレーンに司令部を発足させて活動を正式に始め、米中央軍の発表によると、米国とオーストラリア、バーレーン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、英国、アルバニアの7カ国が参加しており、日本にも参加を呼び掛けています。

結果的にはアメリカ主導の有志連合に参加することは辞めたものの、米軍の後方支援ぐらいはやるという玉虫色の解決策をとったということですね。

日本としては安倍首相が自衛隊の中東派遣を決めてからすぐに中東に訪問する予定ですから、そこで、自衛隊の中東派遣への理解を得るための説明をすると予想されますが、どうなるでしょうか？

万一日本のタンカーが攻撃を受け民間人の命が奪われる事態になったら、メディアは「何故政府は自衛隊に調査研究権限しか与えなかったのか」って言うのだろうね。ってか、昨年日本のタンカーが襲撃を受けて以来、どうしたら民間船舶を危険から守れるかってメディアが真剣に議論してた記憶が無いのだけど https://t.co/ulrMZfT0K7
— happysakiko (@happysakiko1) January 11, 2020