中国だけじゃない。世界中で不動産バブル崩壊が近づく。日本の歴史からひも解く不動産バブル崩壊の末路
ロイターは中国がバランスシート不況に陥っているというエコノミストの言葉を例に挙げて現状を説明していました。バランスシート不況とは一時的な景気悪化ではなく国全体の資産と負債のバランスが崩れることによってしょうじる構造的な不況のことです。
現在は規模が大きいことから中国の不動産バブルが話題となっていますがニュージーランド、シンガポール、韓国、タイ、マレーシア、カナダも不動産バブル状態の数値となっておりアメリカと東京も怪しいといわれています。
日本は不動産バブル崩壊のトラウマから現金預金が増えて資産アセットへの投資が行われないことが問題となっていますが、これらの不動産バブル崩壊のリスクがある国がどうなるのか過去の日本を例にして見ていきましょう。

百害あって一利なしの不動産バブル

バランスシート不況は日本の「終わらない不況」を説明するのに良く使われた言葉で、バブル崩壊で資産価値暴落で企業などが債務超過に陥ります。すると企業は利益を借金の返済に充てるようになり、設備投資や消費をしなくなり、日銀が金融緩和しても誰もお金を借りなくなります。詳しく知りたい人は「流動性の罠」で検索してください。

つまり借金が多くなって返済に追われるようになると、もう消費や投資どころじゃなくなるという当たり前のことがバランスシート不況です。

借金が急激に増えるのは日本では地価崩壊を引き金としたバブル崩壊で企業がこのようになると人件費を減らそうとし、給料が下がり就職が難しくなりサービス残業など無償労働を要求されるようになります。

土地というものは技術や生産性の向上が無いので、不動産バブルは必ず弾けて後には空き家と借金だけが残ります。

不動産バブルが崩壊すると国民は国の将来の経済力に不安を感じるので資金に余裕がある人は住宅ローンや負債を持つ人はすぐに借金返済に充てようとします。金融機関が本来入るはずの金利収入が目減りして、消費や投資にお金が回らなくなります。一方で資金に余裕がない人の担保としていた住宅などの資産価格が暴落すると貸出金が回収不能となり不良債権処理に金融機関が追われることになります。
このようにしてバランスシート不況は長引きます。
日本の場合は日経平均株価がバブル崩壊後の水準に近づくまで28年かかっており、いまだに更新できていません。
バブル後の日本経済のバランスシート不況はどうなっていたかというと
資産の部分では80年代後半から90年代前半にかけてバブル崩壊が発生したのが分かるでしょう。その後資産は緩やかに上昇しており日本銀行が発表した2021年4~6月の資金循環統計によると、6月末時点で個人(家計部門)が保有する「現金・預金」1072兆円で、過去最高を更新しています。バブル崩壊後も消費や投資にお金が回らない状態が続いていることが分かります。
では負債の方はどうなっているかというと
青色が日本で1993年に最高値をたたき出してからバブル崩壊にともなって徐々に減少して現在は横ばいとなっています。灰色のスペインは2010年に欧州ソブリン危機が発生してバブルが崩壊しましたがユーロ圏なので1か国で対応せずに済みショックは緩和して現在では債務は低水準になっています。
中国とカナダは2018年の段階で日本のバブル期に近づいていて韓国も危険水域に突入していることがうかがえます。韓国は家計債務比率はGDP比で現在は世界一になりました。
長年、好調だった中国と韓国はバブル崩壊に伴う長期のバランスシート不況の時代が訪れるでしょう。
日本の合計地価はバブル期は1992年で2,470兆円でその年のGDPが449兆円なので5倍。2020年の調査では合計地価は1226.9兆円でGDPは525.9兆円だったので2倍となります。
2015年の韓国GDPは1,658超ウォンで157兆円、地価合計のGDP比は約3.5倍で2021年の韓国名目GDPは2057兆ウォンだったので、地価合計のGDP比は5.19倍、日本のバブル全盛期とほぼ同じになりましたが、中国の不動産バブル崩壊の後を追うように落ち始めています。

ネットの声

中国の地方政府の困窮状況。
給与削減だけでなく、
田舎では公務員のリストラも始まっている。
ピーク時から1/3程度に減らす計画が進行中。
分割民営化ではなく、
多すぎる役人を切って経費削減という方針。
バブル崩壊により、
自治体の不動産収入が急減したため。

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