小島瑠璃子が中国留学。迫られる「1つの中国」の踏み絵とは。

“こじるり”ことタレントの小島瑠璃子が8月8日、来年から中国の大学に留学することを自身のSNSを通じて明らかにしました。SNSを通じて留学先での生活を発信していくか、大学生活の合間を縫ってタレント活動をするのかは明らかにされていません。

中国では芸能人の発信は完全に監視下にある

15歳で芸能界に入り、大変なこともあったけれど、笑ってもらうのが嬉しくて、楽しくて、仕事に熱中した13年間でした。28歳、一度ゼロからチャレンジしてみようと思います!!

このように明るく意気込みを語った小島瑠璃子だが中国生活では言論の自由はなく、中国に対して基本的にポジティブな内容以外は発信できません。

現在、中国版ツイッター『ウェイボー』では、中国で活躍する台湾出身芸能人や香港出身の芸能人たちに政治的立場を明らかにするよう求める動きが活発化している。

1つの中国という台湾も中国の一部であるという考え方を認めないタレントには芸能活動をさせるべきではないという声が高まっています。中国国民の声なのか政府が仕掛けたのかわかりませんが中国で活動する台湾、香港系の芸能人の中には「中国は1つしかない」という言葉をウェイボーに投稿する者が続出しています。

政治問題とは距離を置くためSNSの更新をやめたり問題について触れなかった台湾芸能人にはネット上で批判が殺到。台湾出身の女性3人組アイドルグループ『S.H.E』のメンバー・田馥甄(ヒビ・ティエン)や台湾の人気男性アイドルグループ『飛輪海』のメンバーの炎亜綸(イェン・ヤールン)は、1つの中国を支持しなかったため、炎上しています。

台湾を取ると中国で活動はできなくなり中国を取ると台湾で活動ができなくなる踏み絵を芸能人は踏まされるわけですね。黙っていることもできません。

これはすでに日本のアニメ業界でも起こっていることで日本で活動していても一つの中国を支持表明しない限り中国市場でビジネスをすることは難しくなっていくでしょう。

どうしてこうなった?

中国は2000年代にグローバル経済の牽引役でこれからは中国の時代がやってくるとメディアはこぞって中国を持ち上げました。実際に先進国が成長力を失っていく中で世界経済の成長のエンジンとなったのが中国で毎年二桁のGDP成長を達成していました。

2008年にはカンフーパンダが製作されハリウッドは中国資本が入り込み、中国市場を明らかに意識していました。2011年にはSMAPが北京コンサートを実施して日本のエンタメ業界も中国市場とのつながりが活性化しました。2009年に誕生したオバマ政権は世界的課題を乗り越えるうえで中国をパートナーとみなし日本の頭越しで握手をしていましたが、無理だと思ったのか後期からアメリカは中国と距離を取り始め、2015年には米国上場の中国株が暴落するチャイナショックが発生。そのあとオバマ政権は日本と関係改善を図り2016年には安倍首相と真珠湾、広島それぞれで追悼行事を行いました。2017年就任したトランプ大統領は中国を仮想敵として扱った一方で安倍首相との関係は奇妙なまでに良好でした。

2020年新型コロナウイルスが発生しロシアのウクライナ侵攻によって独裁国家の脅威を世界中が感じたことで、日米で中国に対峙する構図は決定的な流れになっています。

そして中国は今年から人口が減少し始めこれから先に大きな経済成長は期待できなくなっていきます。

日中関係はこれから10年以上は良くて現状維持で、悪くなるシナリオの可能性が圧倒的に高く、日本だけではなく世界のエンタメ業界も中国は諦めるところは増えるでしょう。

そんな時代の中で中国に留学する小島瑠璃子さんは現地で生活するためさらに大変でしょうし、芸能活動を日中をまたにかけて行うのはさらに厳しいと思います。時代の流れを読み間違えた感もありますが、こういう時代だからこそ民間外交は重要なので頑張ってほしいですね。

ネットの声

サタプラこじるり卒業かぁ、ここ数年は清水アナも可愛くて見てたけど、地味にショック!

こじるり中国留学か〜
息子二人がサイエンスZERO大好きだったよ
分かりやすかったし頭のいい人なんだなと思った、ありがとうございました

Twitterでフォローしよう

pick up