M-1優勝の令和ロマンの勝因は戦略にあり。
令和ロマンが本日12月24日、ABCテレビ・テレビ朝日系で生放送された「M-1グランプリ2023」で優勝し、第19代王者の称号と賞金1000万円を手にしました。結成5年目、優勝候補の1角でしたが、くじ運の無さでトップバッターが決まった2人。しかし、舞台に行くまでのせり上がりの部分で、高比良くるまが急にジェスチャーで“あれ見ろよ!”と言わんばかりに、くじが引かれた方向の右側を指差しはじめます。松井ケムリが肩を叩いてツッコむなか、くるまは何度も指差し、漫才開始前から客席から笑い声が漏れていました。このトップバッターの不運を逆手に取った入り方は審査員を唸らせました。
センターマイクに立ってからが採点基準など、どこにも明記されていません。
勝負の神は細部に宿る
トップバッターでどのように振る舞うかまでシミュレーションできていたのか、漫才が始まる前から重苦しい雰囲気はなくなっており、スムーズにネタに入ることができていました。ネット上では「芸歴5年でよくできるな…」「心臓強すぎるでしょ」「せり上がりから客掴むの策士」「せり上がりの様子とネタの落ち着き具合からして令和ロマンの肝の座り方えぐい」「ほんとにM-1を誰よりも楽しんでる」といったコメントが寄せられていました。
決勝ラウンドでも、令和ロマンが最後に持ってきたボケは吉本興業にいる胡散臭い社員。昨年優勝のウエストランドもM-1自体を最終決戦ではネタにすることで優勝を勝ち取りましたが、吉本興業主催の大会で吉本興業の社員を小馬鹿にするネタは、インパクトに残ります。
ウエストランドも決勝ラウンドでは登場BGMが短いことを理解して、音楽が鳴っている最中に出てきて鳴り終わりと同時にネタに入っていましたが、他のコンビはBGMが鳴り終わったあとから動き出したことで、変な間ができてしまっていました。
8000組の漫才師のトップが集う大会で面白さで明確に差が出ることは少ないので、こういった細かい部分が最後は勝負を分けます。
今年も令和ロマンとヤーレンズは両方面白かったですが、M-1はこういう展開になることがほとんど。最後にインパクトを残した方が勝つので、吉本興業をネタの最後に持ってきた令和ロマンの勝利は戦略性があったといえるでしょう。
一方で、昨年準優勝のさや香は決勝トーナメントでは、コロナ禍で芸人仲間を笑わせるために作ったネタをやったそうですが、受けは悪かったですね。勝敗がすべてではないので、好きなネタをやるのも良いですが、明確に勝つためにできることを全部詰め込んだ令和ロマンの優勝は、妥当だったといえるかもしれません。
番組的に失敗すると重苦しい雰囲気になるトップバッターから優勝した令和ロマンは、番組への貢献度も高く最高の仕事をしたといえるでしょう。
「M-1グランプリ2023 アナザーストーリー」今週放送 令和ロマンらの姿追うhttps://t.co/O1GbMiKjPc#M1 #M1グランプリ
— お笑いナタリー (@owarai_natalie) January 9, 2024
ネットの声
令和ロマン、真空ジェシカ、ヤーレンズがおもしろかった!
真空ジェシカの2本目が見たかった。
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