
米議会下院は20日、中国の香港に対する介入をけん制するための「香港人権・民主主義法案」を可決した。トランプ大統領は拒否権を発動することなく法案に署名しています。
香港では民主化や自治を要求する人々の抗議活動ががエスカレートしているため、自制を促すという意味合いがあります。
中国は法案成立に強く怒りを表明していて、今後は報復措置に打って出る可能性も指摘されています。
また、同時に米下院では、デモ隊に対して使われる催涙ガスやゴム弾などの香港への輸出を禁止する法案も承認されました。
ただし、どのような法的拘束力を持つのはは不透明ですが、アメリカは今後、香港の1国2制度の維持のだめにアクションを起こす義務が生じたといって良いでしょう。
香港人権法案を通したくなかったトランプ
アメリカから遠く離れた香港人の人権が毀損されているからアメリカが助けなくてはなどとトランプ大統領が思う訳はないには過去の言動からも明白で、この法案の成立へ消極的な態度を取っていました。
実際に、この法案を通すと中国との貿易交渉は暗礁に乗り上げてしまうので株価が下がってしまいます。
選挙が近いトランプ大統領にとっては香港人の人権よりも株価を維持したかったところでしょう。
トランプは人気のバロメーターとして株価を気にしていましたが、今回株価が下がっても香港人権法案を通した理由としては
・中国に敵対したほうが人気が上がる
・対中政策に香港を利用したい
という思惑が透けて見えます。
上院、下院で圧倒的に賛成が多かったことを見てもアメリカの世論は中国に対して厳しくする必要があるとの認識で一致していて、日本では反中で暴走しているイメージがあるトランプ大統領もアメリカでは親中派と揶揄されていて、もし香港人権法案を拒否したら腰抜けとバカにされていたでしょう。
習近平のことを特別な友人と表現していて、実はトランプ大統領は中国に結構気を使っていますが、議員や官僚が中国に弱腰な姿勢は許さないというほど対中感情は最悪。
国内世論的に中国は敵に回すほうが得策だとも判断しているのでトランプ大統領は法案を通したわけですね。
ビジネスの観点で香港に与えられている特別な地位の最も重要な要素の1つは、中国とは別個の関税と貿易のゾーンとみなされている点だ。つまり現在米国が導入している対中関税も、香港からの輸出には適用されないので、アメリカが貿易交渉をいくらやって経済制裁を仕掛けても香港が抜け道となります。
トランプ大統領がこれまでやってきた貿易交渉は実は香港という抜け道があるので、プロレス的要素が強い「中国に強硬姿勢を取る」ショーでしたが、実際はそこまで中国に影響はありません。
米国務省によると、昨年時点で香港には8万5000人の米国人が居住し、ほぼ全ての大手金融機関を含めて1300余りの米企業が事業を展開。
香港は対米法務・会計サービスの主要な輸出地域であり、米国のモノの貿易黒字額は311億ドルと国・地域別で最大を記録しているので、中国としては香港の抜け道として持っている「特権」を封じるとアメリカにダメージがあると脅すことが出来ます。
今回の香港人権法案は中国によって香港が都合よく利用されることを防ぐためのものだといえるでしょう。
香港人権民主法の成立に対し、中国外務省が「米国が独断専行を続けるならば必ず断固として反撃する」というのを聞いて失笑。顔を猛烈な一発で殴られた人は、「もう一度殴ったら反撃するぞ」と同じだ。本気で反撃するなら措置をとっくに用意しているはずだが、今に反撃できないならただの虚勢張りだ。
— 石平太郎 (@liyonyon) November 28, 2019
タックスヘイブンの香港
香港がここまで経済成長してアジアの金融都市となった理由は、中国と他の資本主義国では根本的な国のルールが違い、経済的な結びつきを強めるうえで、どちらでもない緩衝地帯としての特権を与えられていたからです。
どちらのルールにも従う必要がない香港では多くの多国籍企業や投資銀行などグローバル資本がタックスヘイブン(租税回避地)として香港を利用してきました。
アメリカにとって中国にとってもお互いに経済的な連携を深めるためには香港は利用価値があったですが、現在は経済的な結びつきをお互いに断ち切ろうとしている流れ。
緩衝地帯としての香港はお互いに必要としておらず、香港をどちらがコントロールするかという戦いが始まっています。
日本としてはアメリカが香港を牛耳ってくれた方が対中の防衛最前線が香港となり、台湾や沖縄となるよりも遠くなるので都合が良いですが、中国がデモで反旗を翻している香港を黙ってアメリカの裏庭にすることを許容するとは思えません。
今後はウイグルのように香港を弾圧して、無くしてしまえということにもなりかねないですし、香港国民にとっては板挟みにあって難しい時代に入りましたね。
中国が1997年に英国から香港を返還された際に、50年間にわたって香港に「非常に高度な自治」を認めると約束した一国2制度は2047年に向けて少しずつ無くなっていき、中国に取り込まれるかアメリカの力を借りて独立するような形になるか注目したいですね。
世界3番目のGDPを誇る日本が一切関わろうとしないですが、本来は日本が香港の命運を握る主要プレーヤーになっていてもおかしくない立場なんですが、習近平国家主席を国賓で招くようですし、安倍首相は香港のことは無視していますね。
冷たいのか、中国にびびってるのかわかりませんが、保守派の連中は安倍首相の対中政策のどこが良いのかさっぱりわからないですね。
香港以外でも、難民問題や民主主義など人権に関わることは多々あると思うのだけどねー。そこいらをすっ飛ばして何故いま香港? / 米大統領 香港での人権と民主主義の確立を支援する法案に署名 (NHKニュース) #NewsPicks https://t.co/PbkLaptVgR
— ash (@ash2z_) November 28, 2019
ネットの声
米大統領が香港人権民主主義法案をサインした!!
これは勝利ではない。
民主主義と共産主義による現代戦争の始まりである。
香港や新疆ウイグル自治区の人権問題をめぐって中共への国際社会の批判が高まり、トランプ大統領も香港人権民主主義法案に署名しました。こんな中共習近平を国賓として招待すると、日本は中共のこの横暴を認め許容していると世界が誤解してしまい、中共も間違っていないと継続します。国賓招待は反対!






