新国立競技場。お客さんの評判はそこそこだが、前途多難な理由。
2020年東京五輪・パラリンピックのメインスタジアムとなる新国立競技場が11月30日完成。
新国立劇場完成に伴って開催されたイベントは超満員となりサッカーの天皇杯とラグビー大学選手権決勝も満員となっています。
オリンピック後の課題は山積みです。
大会の警備上の都合で詳細な図面を開示できず、民間事業者側から採算性など判断できないと意見が出たためとした。これは表向きな理由に過ぎず、政府関係者は「今のままでは手を挙げるところがない」と明かします。
2000億円の費用がかかるとして見送られたザハ案は屋根、冷暖房、可動席付きで陸上競技場だけではなくコンサート、サッカー、ラグビーにも最適化できる仕様でした。
ザハ案を撤回したことで、開閉式屋根はつかず、冷房もなし、席も大会後にトラック部分に席を2万席ほど固定するかどうかでサッカー、ラグビー界と陸上界で揉めています。
オリンピック以降の利用方法がザハ案を撤回したことで見えなくなってしまい、結局かかった建設費用は1500億円とザハ案から大きくコストダウンできたかといえば微妙。
500億円のコストダウンのためにザハ案を撤回したことで、オリンピック後には用途が難しいものになってしまったがために、毎年の維持費を使用料で補うことが難しくなってしまいました。
補いきれない維持費の負担は当然、都民、国民が負うことになり長期的にはザハ案よりもコストがかかる可能性もあります。
そこで、民営化が重要なポイントとなりますが、民営化に手を挙げた企業はいまだに現れていません。
国は固定資産税を免除する方針ですが、それでも手を挙げる企業はいません。
屋根を巡る攻防
完成した新国立競技場は観客席の縦幅が狭いことに対して批判が大きく、会場外のトイレの数が足りないので長蛇の列ができるなど問題もありますが、とりあえず東京オリンピックには間に合ったといえるでしょう。
問題は東京オリンピックの後です。
ザハ案では開閉式屋根を採用しており、天然芝の養育と雨天での開催、音漏れの防止に効果的でサッカー、ラグビーとコンサートの併用を可能にするものでしたが、出来上がった新国立競技場は席の上に固定屋根があり、グラウンドに屋根はついていません。
後から、固定の屋根で覆うことはできても開閉式の屋根をつけるのは難しいので、屋根をつけるなら天然芝が育たないのでサッカー、ラグビーの開催は難しくなってしまいます。
屋根をつけなければ周囲がビル街なので騒音対策のためにコンサートの実施は、配慮が必要となりますし、U店でのイベント開催は難しくなります。
音楽系の企業は屋根をつけるように希望していますが、建設費はさらに数百億がかかるうえに、グラウンドを含めて10万人程度が入るコンサートを埋めることが出来るアーティストは数えるほどしかおらず、年間の稼働回数はたかがしれています。
結局のところ、新国立競技場にとってメインの使用者となり得るのは、サッカーとラグビーですので、陸上トラック部分を席で覆うのが良いかと思います。
新・国立競技場
←理想 現実→ pic.twitter.com/mE3GcI9Trk
— エボサイ(EvoPsy) (@selfcomestomine) November 26, 2019
ネットの声
1500億突っ込んで完成しても、五輪が終われば赤字垂れ流し。まさに無責任の極み「インパール作戦」そのもの。他の新設施設を含め「負のレガシー」の象徴となるだろう。
だからザハ案にしとけば良かったのに。あの時、アホな大騒ぎをした国民全体の責任だよ、これは。
ザハやコンペ審査員もある意味被害者で
悪いというなら無能なのに出しゃばった文科省
新国立競技場も文科省の被害者
新国立競技場ザハ案は日本の地震対策構造計算をしてみたら霞ヶ丘の地に建築不可能なのが判って(特にザハ案では構造的に重要な所に地下鉄が有ったのが致命的)、設計会社、建築会社から文科省に伝えたが無反応で、結局国交省に泣きつき、国交省の音頭取りで首相の鶴の一声で止まったのが主要因でした
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