
何気なく入れているカレーのルーとインスタントラーメンの粉末スープ…。
多くの人もそれほど気にしていないと思うのですが、
調理方法には火を止めてから入れるようにという但し書きが…これってどうして??
火を止めてから入れる…カレールーの場合
市販のカレーの作り方は、いったん火を止めてからカレー鍋にルを入れると書かれています。
これを忠実に守っている人はいるのかな?
というくらい火をかけたままルウを入れている人が多いのではないでしょうか。
アク取りしながら煮込み水量減ったら火を止めてお好みのカレールーを投入。
ワシはゴールデンカレーの中辛と辛口半分づつに横濱舶来亭中辛で味と辛さ調整。
【この後もツイします】⬇ pic.twitter.com/UZx25WSbF3— チンカス専用垢 (@youandreee) August 24, 2019
「火をかけたままグツグツしている中に入れたほうがルーが溶けやすいから…」
多くの人はそう思っているのではないでしょうか。
それなのに、火を止めてから入れる理由はどういったものでしょうか。
下の三つの選択肢を考えてみてください。
答えがこの中にありますよ。
①火をかけたままで水分が無駄に蒸発しすぎるのを防ぐため
②火でやけどをしないため
③温度を下げてルウを溶けやすくするため
この三つの中に正解があるのですがおわかりでしょうか。
答えは③の「温度を下げてルウを溶けやすくする」でした。
誰もが火にかけた熱い方が溶けやすいだろうと考えがちです。
ですから、②とともに③の答えも無いと考えたら①が選択肢として残りそうですが…
実際に火を止めずにルーを入れている人は多いでしょう。
こういったことから、いったん、火を止める手順にもちゃんとした意味があって
必然性があるということですね。
火をかけたままつまり沸騰したお湯の中にルーを入れると、
ルーに含まれている小麦粉のでんぷんが熱によって糊状(のりじょう)になるのです。
いわゆる「ダマ」ができてしまう状態ですね。
そうなると、口あたりも味も今ひとつの仕上がりになってしまうのです。
ダマになるのを防ぐには火を止めてから、
濡らしたフキンなどの上に置いて温度を80度以下に下げるのが理想的です。
そして、ルーを入れて無闇にかき回すのではなく、
ルーを割り入れた後でふたをして5分ほど待つのがおすすめなのです。
その後で、鍋全体をゆっくりと混ぜるようにすると、
ルーがよく溶けておいしいカレーのできあがりとなります。
これまで火をかけたままカレーのルーを入れて溶かしていた人は、
今度からは火を止めてからルーを入れるようにしましょう。
実際にこちらのほうがよく溶けることを実感すると思います。
火を止めてから入れる…インスタントラーメンの粉末スープの場合
袋タイプのインスタントラーメンの調理方法については、
火を止めてから粉末スープを入れるように書かれています。
これもまた、カレーのルーと一緒で、
あまり意識せずに火をかけたまま
粉末スープを入れている人も少なくないでしょう。
しかし、2015年に台湾で起きた粉じん爆発事故で
「粉は引火しやすく危ない」という意識が広がりました。
そのためか、インスタントラーメンの調理方法に書かれている、
「火を止めてから粉末スープを入れる」という手順がいつのまにか
「粉じん爆発を防止するため」ということと結びついてしまったのです。
ネットでそれが広く流布されてしまいました。
そんな危ないことがインスタントラーメンの粉末スープで起こるのか…
と思う人も多いと思います。
実際に大手インスタントラーメンのメーカーである日清食品グループ、サンヨー食品、ハウス食品の3社に問い合わせてみました。
いずれのメーカーからも、火を止めて粉末スープを入れるのは
「スープの香りを飛ばさないようにするため」
という回答を得たのです。
「粉じん爆発」について聞いたところ
「考慮に入れていない」ということで、
普通に調理する分には全く問題がないということです。
粉末スープは食べる直前に入れる
インスタントラーメンやカップ麺とも、
粉末スープなどは食べる直前に入れるケースが多いようです。
稀に最初からスープを入れておいて煮るようなタイプもありますが、
イレギュラーなパターンと考えていいでしょう。
カップ麺の「かやく」については柔らかくするために、
お湯を入れる前に入れるように調理方法に書いてある場合が多いですが、
粉末スープや調理油については、食べる直前に入れる方法が一般的です。
理由としては、
「スープの香りが活かせる」
「スープの成分によって麺が戻りにくくなる場合がある」
「スープではなく湯でもどしたほうが風味が良い」
などですね。
これらはどれも正解です。
お昼は、インスタントラーメンに、スーパーで売ってる野菜炒め用の野菜を、ごま油で炒めて、塩と胡椒で味を整えたら、お湯を加えてインスタントラーメンを投入👍👍一通り麺もほぐれていい感じになったら、火を止めてインスタントラーメンの素を入れて、これだけだと薄いので、麺つゆをひとかけして完成 pic.twitter.com/UyUxRpvU5c
— たーぼう🤙🤙 (@jbl4312bb) August 15, 2017
また、調味油についてですが、
これは最後に入れるのが必須です。
というのも、調味油(オイル)を先に入れてしまうと、
麺に浸透してしまうからです。
オイルが浸透すると、お湯を油が弾いてしまうのです。
それによって麺がなかなか柔らかくならないまま、
時間が来たからといって、
麺が固いまま食べてしまうことにもなりかねないからです。
ネットの声
「カレールーについては、火をかけながら入れたほうがよく溶けると思っていたから盲点だった。確かに調理方法にしっかり書いてあった…」
「沸騰したお湯に入れると確かにルウがダマになるね。火を止めてさらに冷ませたほうがいいというのは初めて知った。こういうのは教えてもらうと助かるね。」
「ラーメンの粉末スープを入れるタイミングっていろいろな説があるから面白い。カップヌードルなんて粉末スープを入れる概念がないから(最初から入ってる)こんな疑問が出るんだよね。」
カレーのルーもインスタントラーメンの粉末スープも言われてみれば納得の回答でした。