ワクチンの効果が一生続く可能性が見つかる。
米TV局「FOX 10」によれば、エルベディらはファイザー社のワクチンを2回接種した41人(うち8人はウイルス感染歴あり)を募集し、うち14人からは1回目のワクチン接種以降の3、4、5、7、15週目に、リンパ節からサンプルを採取している。 その結果、最初のワクチン接種から15週間後、サンプルを採取した14人の被験者全員の胚中心が活発に活動しており、新型コロナウイルスを認識するメモリーB細胞の数は減少していないことが判明したのだ。 「ワクチン接種後、約4ヵ月間も反応が続いていたこれはとても、とても良い兆候です」とエルベディは「ニューヨーク・タイムズ」に語る。胚中心は通常、ワクチン接種後1~2週間でピークに達し、その後衰えていくからです。
免疫記憶は長期持続する
血中の抗体は数週間から数カ月間は残り続けるものの、時間の経過とともに大きく減少してしまうとされています。ロックフェラー大学の免疫学者であるMichel C. Nussenzweig教授らの研究グループが、実際にSARS-CoV-2に感染してから1.3カ月と6.2カ月の元患者87人の血液を分析したところ、抗体レベルが5分の1にまで低下していたことが確かめられました。
一方、抗体とは対照的に、感染から半年が経過してもほとんど減衰しない免疫システムも見つかりました。それは、最初の感染時に病原体を記憶することで、2度目以降の感染時に素早く抗体を産生する役割を持つ免疫細胞の「メモリーB細胞」です。
アリゾナ大学の免疫学者であるディープタ・バターチャリャいわく「普通、4~6週間後にはほとんど残っていないものです」。だがmRNAワクチンによって刺激された胚中心は「数ヵ月経ってもまだ活動が続いており、ワクチンを接種したほとんどの人のなかでメモリーB細胞の数が減少していないのです」。 バターチャリャによると、胚中心の持続性について科学者が知っていることのほとんどは動物実験に基づいている。今回の研究は、ワクチン接種後に人間に何が起こるかを示した初めての研究なのだ。 なお、前出の「FOX 10」は「天然痘ワクチンのように、生涯にわたって予防効果が持続するワクチンと、定期的な追加接種が必要なワクチンがある理由は解明されていない」と報じる。しかし多くの研究者が、これはワクチンの違いによってもたらされる「胚中心の質」が関係しているのではないかと考えているという。 今回の研究により、ワクチンを接種した場合、少なくとも現在ある新型コロナウイルスの亜種からは長期的に守られる可能性が高いことが示唆された。 mRNAワクチンによる防御効果がどれほど持続するかを正確に予測することは難しい。専門家によれば、免疫を回避するような変異体がない限り、理論的には免疫が一生続く可能性があるという。
デルタ株はワクチンで作った免疫を逃避する傾向があり一部は効果を発揮せず感染してしまうが、多くはワクチンを打たないよりはましな結果に終わるということですね。
mRNAワクチンによって抗体は1年程度で減少してしまうものの、抗体を作る機能が長期で残る可能性が高まったので、ワクチンで免疫を獲得することで長期的に重症化率、致死率が減少していくことが期待されます。
自然感染のケースでは、たとえ血液中に抗体が常時存在していなくても、抗体を作るメモリーB細胞(リンパ節や骨髄に存在することが証明されている)が、幅広い種類の抗体を産生する準備ができているので、いざという時に臨戦態勢に入ることができる。
— hiroshi (@20170211febhei) July 15, 2021
ネットの声
胚中心の活性化は良いことです。長寿命形質細胞はどない?
新型コロナワクチンの接種により獲得した免疫は数年にわたり持続する可能性があるという研究
リンパ節でメモリーB細胞などの産生につながる活発な反応が15週間後まで継続して行われ、鈍化する兆候も見られなかった
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