悲報日本のTVがごり押しのWBCがアメリカでまったく盛り上がらない

ロサンゼルス・タイムスの名物記者で、日本野球にも精通しているコラムニストのディラン・ヘルナンデス氏は、同紙で「書類の手続きでスター選手が出場を禁じられるなら、WBCは(サッカーの)ワールドカップになれない」というタイトルのコラムを掲載した。

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名物記者が語るアメリカにおけるWBC

――まず率直に、WBCに対するアメリカのファンの熱は? 

自分が感じるかぎり、まったくないように思う。アメリカでは「プロのアメフト(NFL)はこの国にしかない。NBA(バスケ)は世界一のリーグ」と考えられている。野球においても、アメリカの人は「ワールドシリーズに勝つチームこそが世界一」だと信じ込んでいる。要するに、トップの大会でないと気にしない、ということだろう。

――MLBのトップ選手が、保険の問題やチームの判断で出られない状況について。

ワールドカップやオリンピックは、やはりお金より価値がある、お金で買えない大会だと思われている。しかしWBCは、カーショーの保険の問題で(大会に)値段をつけてしまった。この大会の価値は、多くてもカーショーの今年の給料の2000万ドル(約27億円)だ。もしカーショーが大会に出て怪我して1年出られなかったら、ドジャースが27億円を損する。そこまでの価値はないというのが、こちらの姿勢なんだ。

――WBCは、MLB機構が運営しているところに難しさがある?

サッカーのワールドカップはFIFAが運営している。例えば、PSGのようなクラブは本音ではリオネル・メッシを出したくないかもしれないが、出さなければいけないシステムになっている。やはり統括組織は別々でなければいけない。

――WBCについて、当事者である選手の意識は変わっているように思うが。日本では「アメリカが本気になった」と報道されている。

本気というより、今回、野手のメンバーが揃ったのはマイク・トラウト(エンゼルス)の影響が大きいと思う。トラウトを最初にリクルートして、そこから彼が自らいろんな選手に「一緒に出よう」と電話をした。結果的に、出場する各国で応援の仕方も違うし、そういう環境で野球をできるのも魅力で、「面白そうだから出てみよう」という空気になっているのだと思う。

――WBCは、どうすればサッカーのワールドカップに近づけるのか。

これは自分の意見だが、球数制限などがあることもよくないと思う。投手の使い方は、国によって大きな差が出る。日本なら、点を取られないなら、100球を大きく超えても続投させることもある。そういった国ごとの野球文化が出るのも、本来であれば魅力になる。球数制限を入れると、それがすべて画一的になる。なぜ選手を守っているのかというと、MLBのシーズンのために守っている。見ている人はそう思ってしまう。そういった制限なしで、誰であっても、トップのトップが本気で出られる大会になるのは、現状では難しい。

――日本では、MLBの選手が宮崎合宿に集まるかどうかも話題になった。合宿そのものも大きな注目を集め、選手たちの一挙手一投足が連日報道された。

侍ジャパンの打撃練習がYouTubeで配信されていた。アメリカでは考えられない。ワールドシリーズですら練習は配信されない。そういうものを見せるというのは、ニーズがあるからだろう。それだけ、日本にとって野球は大事なもの。一方で、現在のアメリカの野球は「地区スポーツ」になっている。ドジャースの選手はロサンゼルスでは知られているが、全国的に知られている選手はいない。全米で流れるCMに出る選手もいない。

――今後、WBCはどうなっていくと思うか。

今、アメリカで野球をやっている子供はワールドシリーズが頭に入っている。あるいは、とても大きな契約を取ること。WBCは入っていない。トップの選手が出て、トップの選手が活躍してこそ、WBCが夢や憧れになる。今回、アメリカから有力な選手が出場するのはいいことだ。例えば、プレーオフにほとんど出たことがないトラウトが大活躍したら……WBCに対する認識も、少しずつ変わっていくかもしれない。

 

ということでWBCが盛り上がっているのは日本だけのようです。オリンピックの競技からも除外されたので、FIFAのような国際競技団体が中心となって公平な世界大会を開催する必要がありそうですね。

サッカーのワールドカップも1930年第一回ウルグアイ大会は船での長旅のため、ほとんどのヨーロッパのチームが出場を辞退して13か国が出場したところからスタートしています。

次回大会は48か国開催となり世界一のグローバルスポーツに成長しましたから、野球の国際大会も一歩一歩進んでいくのではないでしょうか。

ネットの声

実際問題、WBCは日本しか盛り上がっていないのが現実なんよな。

これはイチローも認めていた事実。
だからイチローはこう語っていた。
「せめて日本だけは盛り上げたいなと。

ベースボール人気の低迷に拍車がかからないという報道があったけど、MLBの収益は昨年度が過去最高。これが減益になっていかない限りWBCがサッカーワールドカップを目指す方向へはいかない。残念だけど、MLBが運営する限り世界最高の戦いにはならないし、特に投手は出てこない。

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