9月のパラグアイ戦以来、5試合ぶりとなった親善試合で1-4の大敗を喫した日本代表。

FIFAランキング26位のベネズエラをホームに迎えた一戦。相手は来年3月の南米予選前ラストゲームということで本気のメンバー構成で乗り込んできた一方、日本はDF吉田麻也(サウサンプトン)やFW南野拓実(ザルツブルク)ら主力陣を帯同させず、新戦力の発掘に力点を置いて試合に臨んだ。

報道では誰が悪かったというようなものが多いですが、だれか個人の出来が悪かっただけでは前半で0-4のような試合にはなりませんし、チーム全体の問題が起きたと考えるべきでしょう。

1試合で解任論まで巻き起こった最悪のベネズエラ戦で森保JAPANに何が起きていたのでしょうか。

選手の自主性尊重という放任主義

2018年、ハリルホジッチ監督を大会3か月前に解任して後任の西野監督が選手任せにして急ピッチでチーム作りに成功したことを前例として森保JAPANでも選手任せでチームを作るやり方を試しています。

就任会見では森保監督はコーチとして帯同したロシアワールドカップをこのように振り返っています

「あの短い準備期間でワールドカップに臨むとなれば、自分のやりたいことを選手やスタッフに詰め込むのが普通だが、西野さんは我慢や見守ることができる人でした。やりたいことはいっぱいあったと思うが、選手を急かしたりせず、チームの成長に必要なことを働きかけて与えていく。その、一歩待ったりする部分は凄かった。普通であれば、やってしまったり、言ってしまったりする場面で、選手たちのやる気を認めながらチームを作っていく。でも最後は、コンセプトを伝えながら短期間でチームを作るのは、なかなかできないこと」

しかし、選手任せで上手くいくのは選手が定まっていて、選手に経験が十分にあるときのみ。

今回のベネズエラ戦のように若手のサブメンバー主体で戦うには、誰がピッチ上でリーダーシップを取ってチームを統率していくのか不透明なまま前半45分がただただ戦術的にかみあってない状態で放置され、選手にとっては経験値にすらならなかった試合だったと思います。

ハーフタイムではさすがにしびれをきらして修正してきましたが、選手達もある意味、戦略的放置という名の無策の犠牲者となったわけですね。

選手に任せることの理由は、型にはめないことで選手個人が持つパフォーマンスを最大限に発揮するためであって、選手に任せるにしてもやりやすい形をある程度作っておかないと合わせる形がなくなってしまいます。

森保監督が目指す選手委任サッカーは言い方を変えるとベストメンバーでこのメンバーなら相互にコミュニケーションをとってプレーをできるという分かりあった11人でなければ機能しないサッカーともいえるでしょう。

目指すサッカーの脆弱性が露呈したというのは森保監督の適性以上に日本サッカー協会の方針が間違っている可能性もあって深刻な問題になっているように思います。

ベネズエラ戦では普段日本代表で試合に出ていない選手が出場しましたが、戦術的にベネズエラ代表は育成年代から同じ監督の下で完成度の高いサッカーをしているのと対照的に即席チームが明確な戦術を与えられたわけでもない日本代表は戦術的なかみ合わせの悪さを修正できずに個人能力以前の問題がチームには生じていました。

ツートップの浅野拓磨選手、鈴木武蔵選手というA代表で初めてのツートップが前からの守備で相手の後手を踏み、左サイドハーフには守備が苦手な中島翔哉選手のところを常に狙われていて、ここの弱点を補完するアイデアも皆無。

みんなで考えようと送り出したはずのチームは、考えて意見を集約してチームで意思統一を図ることすらままならなかったわけですね。

この試合を経て、それでも放任主義を継続することでピッチ上の選手の解決能力の向上を図らなければ代表のような集まってすぐ試合をする環境では力を発揮できないと考えることもできるでしょう。

一方で、選手が主体的にチームを作っていくうえでもう少し、わかりやすい指標を与えるべきだったのではという見方も出来ると思います。

森保監督の敗戦の弁では

結果の責任については、準備の段階からの私の選手に対しての、チームに対しての働きかけだったと思いますので、反省しなくてはいけないと思っています。

うまく結果につながらなかったのは、まず私が監督として指示の部分で何か問題があったのではないかなと。

トレーニングの内容で言うと、相手のプレッシャーがキツいなか、攻撃の形を作るという部分で連動のトレーニングをしましたが、もっとクオリティを求めることであったり、プレッシャーの中でプレーするという部分、より試合に近い形や試合よりも、さらに難しい形でトレーニングするということは必要になってくると思っています

とコメントしていてチームの試合の入り方と準備不足を認めています。

森保監督の解任よりも先にやるべきこと

このようなひどい試合のあとには解任論がささやかれますし、今回もそうなっていますね。

しかし、現実的に解任しても後任に良い人材が確保できるとは限りませんし、しばらくは森保監督のもとでできることを高めていく必要があるでしょう。

選手に任せるという建前でスカウティングが不足しているように思うので、スカウティングスタッフの拡充が急務となっているように思います。

選手に任せるのは結構ですが、選手が自主的に判断するうえで必要な情報はスタッフがそろえておいてもらわないと日本サッカー協会は何のためにあるのかという話になってしまいます。

協会ごと反省して欲しいそんな試合でした。

ネットの声

Japan’s way や日本人らしさの根底にあるのは欧州フットボールや南米フットボールに対する劣等感だよ。

それ故に、日本人らしさを追求すると劣等感ゆえに強さではなく「正しさ」や「文化」を求めようとする。

黄金蟲ジュビロにもいえるけど、日本人選手を主軸にして日本人監督が日本らしいサッカーをするという発想自体が植民地化の反作用という事実。

今回は柴崎岳の取材に立ち会わなかったんですけど、今後良くなって行くとしても、それが柴崎岳ありきになるとマズイですね。ザックジャパンも一時期の完成度は高かったけどヤットさんありきで、いなくなった途端にサッカーが変わってしまう問題がありましたが。

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