J1来シーズンからの全試合VAR導入が決定!VAR導入後の問題点とは?
Jリーグは24日、2020シーズンからビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)を導入することを発表。
VARには、より公正な判定を下せるというメリットが存在する一方で、先行導入しているヨーロッパでは、VARが試合結果を大きく左右することによる弊害も指摘されていて賛否両論。
そこで、今回はVARが導入することで起こる問題点をまとめてみました。
テレビ放送枠(2時間)に納まりきらない
サッカーは90分にハーフタイムとロスタイムを加えて2時間以内で試合が終わることが多いです。
この分かりやすい試合時間が放送する側にとっては、重要でサッカーは世界中で生中継がしやすいスポーツとして発展してきました。
しかしながら、VARが導入されると判定にかかる時間が増加するために2時間の枠で収まらない試合が続出することになるでしょう。
Jリーグは現在全国ネットのテレビ中継は少なく、DAZNが放映権を持っているため、インターネットに接しない層に対しての露出が小さいことが問題となっています。
地方ローカル局が、この問題の受け皿となってきましたが、2時間で終わらない試合が増えると中継から降りる局も増えてきそうです。
結局は主観が介入する
サッカーの判定には2種類に分けることが出来ます。
正解がある判定とない判定です。
オフサイドやゴールを割ったかどうかという判定は、VARでズームしたり、センサーを利用することでこれまで「微妙な判定」としか肉眼では見えなかったジャッジがテクノロジーによって白黒はっきりさせることが出来ます。
しかし、接触プレーに関してのファウルに関しては、いくらリプレイで見ても「正解がない」ので結局は、不満が残る判定になることも多いですね。
VARで見て、時間をかけて不満の残る判定が下ることの方がストレスが多く、イタリアセリエAではVARを導入した後の方が選手がレフェリーの判定に不服な態度を示して警告をもらう機会が増えています。
いくらテクノロジーを導入しても不満の残るジャッジは無くならなないというある種の諦めも重要となるのではないでしょうか?
ゴールの喜び半減?
サッカーの醍醐味の一つは得点シーン。
とくに少ない得点数を争う競技なので、ゴールシーンのカタルシスは格別。
しかし、得点を決めたと思ったら、いちいちVARで得点を認めるかどうかのジャッジが入るので、得点を決めても喜びにくくなります。
先行導入されていたルヴァンカップでは
選手をはじめとするチーム側からは「VARが入ることによって、納得感は高い」という話が出ていて、審判と選手の間ではある程度スムーズに進行。
一定の評価を得ています。
一方で、置き去りにされているのが観客。
「あれはPKじゃないのか?」
「VARはなぜ介入しなかったのか?」
といったSNSへの投稿が多く見られています。
観客やファンが試合中にVARによる判定について知る術はなく、得点が入り喜びを分かち合った後にも、ノーゴールとなったのかどうかアナウンスもなく得点が取り消されているという現象が起きました。
判定は正しくてもエンタメとして、どうなの?
という問題も生じています。
このままでは、サッカーの観戦の際には得点が生まれても
「本当に入った?」
「VAR的に問題ないの?」
という微妙な間が生じて、ゴールシーンの喜びを半減させることも想像されます。
このあたりは、会場のモニターで、ピッチ上で何が起きているのかを観客と共有していく仕組みが必要。
得点が入ったのか、確認中なのか、どのシーンが問題となっているのかを分かりやすく表示する工夫をしていくことが必要でしょう。
冷静に考えると
スタジアムにはいろいろなお客さんがいる
VARもいいですが、Jリーグの裾野を広げるためにも、こういう規則解釈の好例については、試合中でも後でも
「只今の判定について………」的なコメントがあってもいいですね#Jリーグジャッジリプレイで取り上げて#ardija #大宮_長崎— りすがゆく (@risuyuku) September 29, 2019
J1だけが別競技化へ。審判も不足
J1はVARが導入されても、育成年代やJ2、J3、なでしこリーグはこれまで通り審判が肉眼でジャッジします。
J1とそれ以外では、サッカーのルールが大きく異なることになりますね。
J1とそれ以外でサッカーが解離してしまわないかが心配となります。
実際に来シーズン確実に起こる問題は審判不足。
J1でピッチ上の審判に加えてビデオレフェリーが必要となるために、J2、J3やなでしこリーグでは審判の人手不足と質の低下を招く結果となるでしょう。
判定がテクノロジーによって公正公平になっていく可能性がある一方で新たな問題も生じてしまうVAR。
マラドーナの神の手ゴールなどサッカーは、判定の「あいまいさ」を良くも悪くもエンタメ化して世界的な普及をもたらしています。
現在は、映像技術が進化したことで、これまでは「微妙」で済ましていた判定を観客が見抜けるようになりました。
時代に合わせてサッカーも変化すべきですが、判定も合わせて楽しむのがサッカーという文化は変わらないで欲しいと思います。
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ネットの声
JリーグでVAR導入決まったとの事。サッカーが変な方向に行きださないかが凄く心配。なんでもかんでも白黒はっきりつけないと気が済まなくなってきてオフサイドとかミリ単位でって事にならんことを祈る。更にテクノロジー化が進んでいって人間によるジャッジは信用できないってなるよ、多分。
ドイツではVARが行われる時に、どの事象について、どのような検証が行われているのかをきちんと電光掲示板に表示しています。
来シーズン、Jリーグでもこの表示はきちんと導入してほしい。
そして、シュトゥットガルトサポは圧倒的にVAR反対派。
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