改正水道法が、昨年12月に衆院本会議で可決、成立。
これにより野党、マスコミの一部は水道料金が値上がりする、外資に日本の水を乗っ取られるというような批判が大きくなっています。
生きていくうえで最も必要な水ですから心配ですね。
一体どうなってしまうのでしょうか?
改正水道法の中身
改正水道法は自治体が水道事業の運営権を民間企業に売却するコンセッション方式(公設民営)を導入しやすくするための法律です。
水道事業には、治水、水質管理、配水、契約の4つの役割がありますが、今回民営化させるのは契約の部分。
電力がすでに売電自由化となり民間企業と契約している方も多いと思いますが、これと同じことです。
売電自由化となり多くの人は電力料金が下がったり、ポイントがついたりお得になっていると思います。
水道料金の決定権は市にあるので、民間企業が契約したとしても、市が決定した金額からディスカウントされることはあっても、上がることはありません。
しかし、これは今回の法改正での話。
今後、日本全体が少子化で、ダム、配水管の老朽化に伴うインフラ投資にかかる金額が水道料金に上乗せされる地域が地方を中心に出てきます。
しかし、これは今回の改正水道法によるものではなく、むしろこの法律が無ければさらに値段が上がっていた可能性もあります。
宮城県では9月2日から30日の期間でパブリックコメントを募集中です。
— 八ッ場あしたの会 (@yambatomorrow) September 4, 2019
https://t.co/MHJGBQfWpI
「宮城県上工下水一体官民連携運営事業(みやぎ型管理運営方式)実施方針(素案)に対する意見の募集(パブリックコメント)について」
野党やマスコミの批判は的外れだが、長期的には心配が現実化するかも
国連加盟193カ国のなかで水を蛇口から直接飲めるのは、わずか16カ国。
日本の水道普及率は98%で、世界で最も安全安心な水道サービスを提供しています。
水道管から漏れ出している水の割合(漏水率)は世界平均で30~40%なのに対し、日本は全国平均で7%以下(東京都は3%以下)となっており、世界で最も完成された水道システムです。
しかし、これを維持していくには、インフラの老朽化、水道管整備の技術者の不足、人口減による資金不足が課題。
水道料金を上げるだけで解決できない場合は、外資に日本の水資源を売却する可能性もあります。
世界でも同じ問題に直面している国が多く、1990年代から水道民営化が進んだものの、水道料金の値上げ、水質悪化などの問題があり2000~15年の間に世界37カ国の235の水道事業で再公営化となっています。
今回の改正法が推奨するコンセッション方式は、これらの民営化とはまったく違うもので、かなり手前なんですが、水道民営化のさきがけになると危惧する声もあるのは当然。
今回の改正法にかかわらず将来的な水道民営化に対しては議論を続けていくべきでしょう。
批判だけではなく民営化したほうがよいと考える理屈もあります。
日本で水あまりになっていて、世界では水不足となっているので外資が参入して余ったミスを海外に販売して利益を得るのは合理的。
日本の土地は墾田永年私財法や検地によって私有権がはっきりしていますが、水は誰のものなのかわからないので、豊富な水資源がありながらも活かせていない現状があります。
ダムの数も足りていませんし、水力発電の機能をつけるとエネルギー資源も確保されるでしょう。
しかし、農林水産省、経済産業省、自治体、土地の所有者のそれぞれに利害があって国内のしがらみから実現できていないことが多く、外圧と外資系企業がもたらす資金によって変わることが出来るのかもしれませんね。
うまくいけば、Jリーグやプロ野球のように外資企業(DAZN)が大きな資金を提供してくれる可能性もありますが、外資によって乗っ取られてしまい、世界的な水不足の時代になったときに搾取されてしまう恐れもあります。
外資企業にライフラインを握られることに対しては慎重である必要があるのは間違いありません。
今後、世界は人口が増加して水不足が深刻化することはほぼ確定しているんですが
人口が増加すると飲み水だけではなく食料も不足して、食糧生産にさらに多くの水が必要となるわけです。
日本は現状は水が余っていますが、食料自給率が低いことも水あまりの理由となっていて、地方で土地が余って食料生産が増えていくと食料が自給できるようになり、水が不足するという状況になりかねません。
このような現状があり、海水を農業利用する取り組みも進んでいますが、塩分が土をだめにしたり普及への道は長そうです。
また、北アフリカ、中東、太平洋小島しょ国や他の水不足の地域などは、安全な飲料水を供給するために海水淡水化に大きく依存しています。
しかし、淡水へと変えるための化学物質が有毒物質を発生させて健康被害が報告されています。
有害な物質を含んだ水は海へと流されるので、全世界中が迷惑をこうむる形となってしまっているんですが、水不足への有効な解決策は見つかっていません。
日本にいると水道水が飲めることが当たり前と感じますが、これはかなり幸せなことで、今後もこの状態が続く保証はどこにもないことを理解しておく必要があるでしょう。
ネットの声
だから何で日本のNHKが韓国の汚職事件を大々的に報道するんだよ?日本には全然関係が無い話だよね?
消費税10%は?水道事業民営化は?我々日本人が知りたい情報は一杯あるんだよ。
経済学者のジョセフ・スティグリッツによると水道の民営化で政治家に入るコミッションの相場は大体10%なんだってよ。どこの国でも当初の価格から10%引いた位の価格が売買価格になって、差額がオフショアの口座に振り込まれるんだって。日本の政治家も同じようなことをやってんじゃないのかな。
水道みたいに公営publicの事業を売っぱらって私営privateにすることを「民営化」って呼ぶの、言葉の使い方としておかしいというか、誘導的だよな。現実には一般の市民ではなく株主の利益を追求するものに変わるのに。