自民党安倍派誕生。自民党内2極化が進み、岸田内閣とは敵対する模様。
自民党の安倍元総理大臣は、出身派閥の細田派の幹部から、派閥への復帰と会長への就任を要請されたのに対し、受け入れる考えを伝えました。正式に会長に就任し、細田派は「安倍派」となる見通しです。
自民党最大派閥清和会の細田派は、会長を務める細田元幹事長が、衆議院議長への就任に伴って派閥の会長を退くことから、安倍元総理大臣に、派閥への復帰と、後任の会長への就任を要請することを確認しました。
安倍氏は「当選以来、派閥にお世話になってきたし、総理大臣在任中も一貫して支えてもらった。会長になることで恩返しになるなら、期待に応えたい」と応じました。
岸田派と真っ向から対立する構図へ。
安倍氏は、派閥の総会で正式に会長に就任し、細田派は「安倍派」となる見通しです。
細田元幹事長を衆議院議長に押し込んで安倍派誕生を早めた理由には保守派の危機感があります。
安倍派となる清和会は親米を基調としながらも自主憲法論・憲法改正論を唱え、再軍備に積極的であるなど比較的タカ派色が強く、冷戦期にはその反共主義志向の反映として、大韓民国・中華民国(台湾)に独自の人脈を持つ自民党右派の名門派閥。
近年では小泉内閣から安倍内閣まで自民党内で大きな力を持っていたものの、第2次安倍政権終了後は風向きが変わっています。
現政権は岸田派(宏池会)が大きな力を持ちます。
宏池会は吉田茂の直系の弟子である池田勇人によって創立されて以来、大平正芳・鈴木善幸・宮澤喜一・岸田文雄と5人の内閣総理大臣・自民党総裁を輩出、野党時代にも河野洋平、谷垣禎一と2人の自民党総裁が出ており、清和会と並ぶ名門派閥。政策面では、リベラル派に属し、特に安全保障では日米関係を重視しながらも、ハト派的傾向が見られ、清和会とは対照的な立ち位置を取ることで知られています。
清和会には首相候補となる人材がいなかったことで、安倍元首相が総裁選で存在感を出すために無派閥の高市早苗を担いだことが象徴的ですが、清和会には実力者が不足していて、安倍派を発足させることで党内の保守派を結集させる狙いがあります。
岸田内閣は清和会を内閣人事でも冷遇しており、このままいけば、安倍派と敵対することは必至です。
自民党最大派閥を敵に回しつつある岸田内閣は世論を味方につける必要がありますが、来年7月の参院選が近づくにつれて岸田おろしの動きが出てくるでしょう。
背後にいるのは安倍晋三で担がれるのは高市早苗になると思います。
野党第一党の立憲民主党は先の総選挙ではまさかの惨敗におわったことで、政権交代が現実的ではない中で自民党内の政局争いが過熱していく構図です。
ネットの声
明日、正式に細田派から安倍派になるに合わせて、新人議員の複数名が安倍派に入ることを宣言していて、高市早苗も安倍派に戻れば、次の総理候補が複数在籍する最大派閥となるので、更に影響力が増す。冗談抜きで安倍晋三の再再登板も現実味を帯びてきた。
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