
日本を悩ます認知症。
2025年には700万人にも上ると言われていますが、その認知症と上手に向き合ったとある料理店が話題に。
期間限定○○なお店
このお店が話題となったのは、あるツイートからでした。
認知症のひとたちが働く「注文をまちがえる料理店」のプレオープンに行って来ました(^^)
ジュンヤくんはおばあちゃんにハンバーグを注文したんだけど、見事に餃子が来て大笑いしました笑 pic.twitter.com/TshX6wOMml
— 工藤瑞穂(soar編集長) (@mimimizuho) 2017年6月4日
わずか3時間足らずで1万ツイートという驚異的なインパクトを残しています。
場所はマギーズ東京という場所で、6/3~6/4の期間限定オープン(期間限定なの悔しい!!)。
お店の名前が「注文をまちがえる料理店」で、配膳はおばあちゃん。
なるほど、認知症を発症しているおばあちゃん達が配膳を行うレストランだったんですね。
注文間違えるのもうなずけますし、むしろ注文を間違えてほしいですww
仕掛けた想いとは
仕掛けたのは、テレビ局ディレクターの小国士朗さん。
テレビの特集で認知症介護についての仕事をしていた時、取材していたおばあちゃんが料理をご馳走していたようで、その時伝えていたメニューと実際に作ったメニューが違ったのがきっかけ。
法律や制度を変えることももちろん大切だと思いますが、私たちがほんのちょっと寛容であることで解決する問題もたくさんあるんじゃないか。
間違えることを受け入れる、間違えることを一緒に楽しむ。そんな新しい価値観をこの不思議なレストランから発信できればと思います。
優しい社会がコンセプトになっている、とてもユニークな発想です。
間違ってもいい日常が当たり前になると、みんなもっと生活しやすくなるかもしれませんね。
注文の多い料理店
今回のタイトルの元ネタとなった、「注文の多い料理店」についてご存知ですか?
宮沢賢治が製作した児童文学で、短編集としては賢治の生前に出版された唯一のもの。
代表作のひとつとして知られています。
ストーリーとしては・・・
イギリス風の身なりをしている、2人の青年紳士がとある山の中で「西洋料理店 山猫軒」という料理店を見つけます。
「当軒は注文の多い料理店ですからどうかそこはご承知ください」という注意書きがあり、2人が中に入ると、
「髪をとかして、履き物の泥を落とすこと」
「ネクタイピンなどの、尖った物は全て外すこと」
「金属製のものを全て外すこと」
「お店が用意している、香水を満遍なく付けること」
と、得体の知れない注文が多く飛び交います。
不振に思う2人ですが、
いろいろ注文が多くてうるさかつたでせう。お気の毒でした。
もうこれだけです。どうかからだ中に、壷の中の塩をたくさんよくもみ込んでください。
という注意書きで2人は、「来た客に西洋料理を食べさせる店」ではなく、「来た客を西洋料理として食ってしまう店」ということに気づきます。
戻る扉は開かず、前の扉からは目玉が二つ、鍵穴からこちらを見つめられ、あまりの恐ろしさに逃げ出し、2人の顔がくしゃくしゃになってしまいました。
というお話です。