
新型コロナウイルスの感染拡大で、店頭からマスクやトイレットペーパーが消えるなどの混乱が生じています。
品切れによる騒動といえば、オイルショックの時のトイレットペーパーが有名ですね。
記録的な冷夏による米不足
品不足による騒動で、真っ先に思い浮かべるのは、小学生の教科書にも出てくる享保の大飢饉による米騒動や、太平洋戦争中や戦後の混乱期の食料品や日用品不足。
そして、1973年(昭和48)のトイレットペーパー騒動ではないでしょうか。
米にまつわる騒動は、自然災害などにより何度も発生しています。
そして、明治以降では1918年(大正7)が最大とされているのです。
また、近年では、記録的な冷夏が日本列島を襲った1993年(平成5)の不作による米不足が記憶に新しいところ。
ダンナがカレーを作ると言って、ココナッツミルクだの買ってきて、しかもタイ米(ジャスミンラライス)まで買ってきた。
— さとたえ/まつうらたえこ (@tae_sat3) January 24, 2017
1993~94年の冷夏、米不足の時に輸入され一般的にはパサパサとか不評だったし、無理矢理輸入したことでも不評だったけど、私は超ハマりました♪ タイ米、長粒米Love♪ pic.twitter.com/k6Twutjoeu
国民がパニックとなったトイレットペーパー騒動
米不足は、天候不順による不作が原因ですから、スケールの違いはあれ、その後も度々発生しています。
それでも備蓄米などによって、その後は大きな騒動にはなっていません。
国民がパニック状態に陥った品不足といえば、やはり1973年のオイルショックをきっかに巻き起こったトイレットペーパーの買い占め騒動でしょう。
第四次中東戦争を背景に、中東の原油産油国が、原油価格70%引き上げを決定。
そのため、政府が、国民に「紙の節約」を呼びかけたことから、「紙がなくなる」という噂があっという間に国民の間に広がったのです。
トイレットペーパーを買いあさる姿が、連日ニュースで報じられたことも、騒動に拍車をかけたことは否めません。
そのとき、トイレットペーパーだけにとどまらず、洗剤や砂糖などの日用品にも波及し、まさに大騒動となったのです。
うちのすぐ前はマイバスケットなんだけど、トイレットペーパー騒動があってから一度も売っているのを見ない。恐らく入荷しても俺が行ける時間前に売り切れてしまうのだろう。ついにストックが尽きたのでホムセン2件回ってやっと入手。リッター7kmのベンツで買いに行く、高いトイレットペーパーやで。 pic.twitter.com/Gimy5Isd6U
— 髑髏仮面 (@dokurokammen) April 5, 2020
震災・台風被害がもたらした品不足
東日本大震災の時には、東京の店からペットボトルの水が消えました。
地震や台風の被害発生する度に、電池やブルーシート、ガムテープ、カセットコンロ、カップ麺などの非常食などが品薄状態となります。
万が一に備え、買いだめをすることが、品薄状態となる原因ですが、生活防衛という観点からは推奨されるべき手段とも言えます。
問題は、一時期に集中してしまうところです。
また、2005年から2008年の3年間で、世界全体の食糧価格が2倍近くまで跳ね上がったとされています。
デマによる扇動
買い占め買いだめ行動をとってしまうのは、品不足になるという不安が大きいのは間違いありません。
さらに無責任なデマから騒動に発展するケースも少なくないのです。
今回のトイレットペーパーも、オイルショックの時も、まさにデマ情報がきっかけでした。
緊急事態には、デマや流言飛語が飛び交うものですが、通信手段が格段に発達した現代において、デマの伝わるスピードも範囲の広さも、昔とは比べ物になりません。
企業にしても個人にしてもこうしたデマに惑わされることなく、常日頃から万が一に備えておくことが大切なようです。