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アメリカでも少子化が深刻に。ここ10年で子供を持たない人の割合が急上昇。専門家も説明できず。

アメリカでも少子化が深刻に。ここ10年で子供を持たない人の割合が急上昇。専門家も説明できず。

人口問題や少子化対策などが話題に上る際、海外の参考にすべき事例としてアメリカ合衆国が挙げられます。多様な民族によって構成されており、移民政策に関してはオープンな部類に区分される国で、先進諸国の中では珍しく人口が増加する傾向にあるとして注目されています。一方そのアメリカ合衆国でも昨今、これまでの状況・傾向がくつがえされそうな動きが統計から確認できる。そこでいくつかの公的データを基に、同国の出生率を確認していきます。

※合計特殊出生率

一人の女性が一生のうちに出産する子供の平均値。この値が2.0なら、単純計算で夫婦2人から子供が2人生まれるので、その世代の人口は維持される。値を算出する際には各年齢の女性の出生率を合計することになる。ただし実際には多様なアクシデントによる減少が生じるため、人口維持のための合計特殊出生率は2.07から2.08といわれている。

2007年から明確な少子化傾向が確認できるも、理由は不明

 

緩やかな動きを示していた合計特殊出生率ですが、2007年から2008年を境に、どの人種においても明らかに漸減しているのが確認できます。他方直近年の2021年ではいくつかの人種で前年比プラスの値が出ているが、これは統計上のぶれか、あるいは新型コロナウイルスの流行で生じた在宅時間の増加に伴うものとの推測ができます。

2007年から2008年以降の減少理由については諸説があり、そしてそのいずれもが単独で断定できるだけの理由とは成りえません。しかし2012年に公開されたブルームバーグのコラム記事「米国での出生率低下、その脅威とジレンマ」では、その主要因として十分納得のいくだけの説得力を持つ内容を記しています。

そのコラムでは具体的にアメリカ合衆国の合計特殊出生率の低下理由として、「女性は自分たちの妊娠出産について、歴史上かつて無いほどの力を手に入れている」「かつて子育て支援の役割を担っていた家族や地域社会の強い絆は、産業化や都市化によって断ち切られている」「女性を取り囲む経済状況は大きく変わっている」とした上で(日本の実情とも多分に似ている部分もある)、「多くの女性にとって、子供は最も喜ばしく、最も贅沢な消費財というのが真実(中略)彼らは時間的にも金銭的にも高くつくため、中高所得社会では少なからぬ寂しさとともに、欲しいだけの子供を持つ余裕が無いとあきらめる女性が増えている」と説明し、金銭的余裕の欠乏から、子供を持つことをあきらめる、見方を変えれば「経済的な理由による少子化が進んでいる」と説明しています。

つまりアメリカ合衆国の合計特殊出生率低下の原因は、いわゆる「先進諸国病」の症状の一つであるとの説明です。具体的には、経済的・文化的レベルが上がると、養育費は累乗的に増加し、世帯への子供一人あたりの負担も相応に増えるが、世帯所得の増加はそれに追いつかず、経済上まかなえる子供の数は減るとするものです。

日本と同様にアメリカでも社会が豊かになれば、女性の働き方や娯楽が多様化して少子化になるという傾向は変わらないという見方ですね。

一方でアメリカが特殊に進んでいる少子化について経済的な理由から専門家も説明がついていません、下のグラフを御覧ください。

 

ここ10年でのアメリカの子供を持たない使徒の割合が急激に上昇しています。アメリカの出生率の低下は、子どもを持たない人が増えたことが原因という指摘。子どもゼロの割合がこんなに急上昇しているのは70年ぶりとのことです。

J of Econ Perspectivesのこの論文では、主因は新しい世代の好み・規範の変化で、経済的・政策的要因では説明できないとのこと。近年にアメリカで性的な考え方について若者の間で大きな変化があったのかもしれません。

一方でアメリカは不法移民が大量にメキシコを通って入国してきているので、全体の人口が減少するかどうかはわからないです。少子化で人口減少しても不法移民で人口を維持してもあまり、明るい未来が待っているようには思えませんが、それでも少子化になるのが早くペースも急な日本よりはまだマシな状況といえるのかもしれませんね。

https://x.com/HheWQ2eNTs2itPf/status/1720707472523162035?s=20

ネットの声

米国の人口は年々増えてるけど出生率は1.64なので“アメリカ人”は減少してる。毎年増加する移民と彼らの2.18という高い出生率のみで人口が増えてる。ただ、移民も5世代すると現地民の出生率と同じになるというので、つまり出生率が高い国からの移民を受け入れ続けないと人口が減り経済が冷え込むらしい

 

出生率が下がってるのは納得できるけど、この医療が発達した現在に、乳児死亡率が上がってるのは不思議でしかたない。 アメリカの話だけど日本は大丈夫なのか?