
日本でも浸透してきたキャッシュレス決済。中国では今、その先を行く構想が進められています。それが「デジタル人民元」。
紙幣や硬貨を、インターネット上で使う「デジタル通貨」に置き換えていこうというのです。将来的にはドル基軸通貨体制に楔を打ち込みたいという思惑もあり、アメリカでは警戒感が高まっています。
基軸通貨は歴史をさかのぼると何度も入れ替わってきた
2019年10月、中国の政府系シンクタンクの幹部が「デジタル人民元」構想をぶち上げました。
この幹部は「中国人民銀行(=中国の中央銀行)が世界で最初にデジタル通貨を発行する中央銀行になる」という見通しを述べたのです。
中国人民銀行は2014年にデジタル通貨に関する専門の研究チームを結成。着々と準備を進めていました。
デジタル人民元は、中央銀行が発行することから、銀行口座を介することなく、誰でも、どこでも使えるようになる見込みで、現在流通している人民元と同じ法定通貨ですから、政府への信用が裏付けとなり価値も安定すると考えられます。
独裁国家の通貨が信用されるかどうかは定かではありませんが、経済規模で20年後にアメリカを抜くと予想されている中国ですから、有り得ない話ではないですね。
また、合成覇権通貨という考え方もあるようで、中国人民元はユーロと通貨スワップをすでに結んでいて協調してドルに対抗する動きも出てきています。
「金融恐慌の度にポンドからドルへなど基軸通貨が入れ替わっており、21世紀は仮想通貨が基軸通貨になるだろうと考えている。」
— Ryosuke (@RyosukeC_C) March 5, 2018
17世紀→ダカット
18世紀→グルテン
19世紀→ポンド
20世紀→ドル
21世紀→デジタル通貨(BTC、ETH?) pic.twitter.com/DTx1746Z5Y
facebookリブラのような新興通貨も出現しており、ドルを中心とした変動相場制には限界も見えてきています。
江戸時代の日本では、都市部では金貨、銀貨を使った経済であり、農村では物々交換と米を通貨とした経済システムが両立していました。
つまり、コミュニティによって使う通貨が違ったわけです。
20世紀に入って近代国家の仕組みができてから法定通貨で日本人全員が円でモノを買う経済システムになりましたが、まだ100年程度です。
ドルが弱くなると各国の法定通貨も同時に弱くなるので、一般的等価物としての価値を失い、コミュニティによって使う通貨が違うという多極化の流れがすすむかもしれません。
地域通貨や、仮想通貨に加えてそれぞれの趣味に応じた通貨が誕生するでしょう。
例えば、ジャニーズファンが使うジャニコインやサッカーファンが使うJリーグコイン、AKBコイン、吉本コインなどが乱立し、ネットオークションなどでそれぞれのコインが交換可能となり、用途に合わせた通貨を持つようになるかもしれません。
このような通貨の多極化、細分化の流れの中で基軸通貨のドルは影響力が落ちていて中国のデジタル人民元は、14億人が使う通貨として影響力を大きくするでしょう。
ただし、独裁国家の通貨を他の国民が信用するかどうかには疑問があります。
ネットの声
NHKの「クロ現」
あたかもデジタル人民元を推奨?
完全に操られていますね
日米デジタル貿易協定の発行と同日、2020年1月1日に施行された中国暗号法。デジタル人民元に対する日米政府の姿勢が明確になるようなタイミング(春〜夏?)から、いわゆるアフタービットコインチックなトレンドに入っていくのかなと。ここでメガバンクを買いたい。ブロックチェーン株も注視。