インフレが止まりません!アメリカは悪夢の70年代を繰り返すのか。

20世紀以降世界の最強国家であり続けたアメリカにとっての暗黒期は1970年代です。10%程度のインフレの高止まりが15年続き株価はこの間に少しも上がりませんでした。インフレの原因はベトナム戦争や膨大な社会福祉政策、オイルショックで、コロナ渦で前例がないレベルのバラマキ政策を行いロシアのウクライナ侵攻とそれに伴うエネルギー危機と8%のインフレが2年連続で続く現在のインフレ要因と似通っています。

物価高に伴って賃金を上げるとコストを負担するのは企業となります。アメリカは貿易収支が赤字で経常収支が黒字の国です。要するに金融で稼いでいるので株価が上がらないと国として儲けが出ないのです。

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1970年にアメリカに起こったブルウィップ効果とは

「ブルウィップ」とは、家畜の牛に対して使うムチのことである。手元のムチの揺れが小さいのに対し、遠くに離れていくにつれ揺れ幅は広くなるように一度狂った需要と供給のバランスがかみ合わなくなる現象で需要変動に対し、卸売から工場、原材料の取り扱い業者へと辿るにつれ、需要変動を過剰に捉えがちになること。

この結果過剰在庫や欠品が発生することで物価が安定せず金融政策がぶれてしまい、インフレが終わったと思ったらまた始まるということを70年代のアメリカは繰り返しています。もたもたするアメリカから燃費の良い車や家電製品を武器に世界一の経済大国の座を奪ったのが日本でした。日本は節約志向で企業も無駄を省くのは得意でインフレ局面に強くオイルショックになっても大したインフレにならずダメージを最小限に抑えたのです。ここも現在と似通っています。

このアメリカの15年続いたインフレを終わらせたのが伝説のインフレファイター・ボルガーFRB議長です。ボルガーは金融界をウォール街にも政治にも忖度せずにそれまでの金利10%から20%近くまで上昇させ「インフレは自らを餌にして育つ」と言い完全に物価が落ちるまで緩めることはありませんでした。失業率は最大で10%となり農家がトラクターでFRB本部に押し掛けるなど抗議行動が広がったもののボルカーの強硬的なインフレ退治は成功してアメリカは1980年代後半に日本を再び抜き返しました。

世界的な景気減速は目の前

米株式市場で物流大手フェデックスの株価が急落。一時24%安と1980年以来で最大の下げとなっています。ラジ・サブラマニアム最高経営責任者(CEO)は発表資料で、「6-8月期の後半に米国の内外でマクロ経済のトレンドが大幅に悪化し、世界的に取扱量が減少した」とした上で、「われわれはこれらの逆風に迅速に対処しているが、状況の変化のスピードを考慮すると、6-8月期はわれわれの予想を下回っている」と説明。物流会社の業績は景気の先行指数でアメリカおよび世界の景気は後退することはほぼ確実となっています。

インフレは一時的に鈍化しますが、現在のFRBはインフレ退治に強気な姿勢は見せていますが、本気ではありません。大統領選挙も近く株価なども気にして中途半端に金融緩和したりすると再びインフレに転じるパターンに入ると1970年代と同じになり、アメリカは暗黒期を繰り返すかもしれません。

ネットの声

1971年ニクソンショック(金本位制離脱
1ドル=360円
=200円
=280円 ボルガーFRB議長インフレ対策として高金利政策
1985年 プラザ合意(ドル高を是正
1987年 ブラックマンデー

 

ボルガーさん時みたいに思い切ってやるのは無理かな。これまでだとジリ貧な気がする。

 

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