英国で行われた下院総選挙の結果を受け、単独過半数の議席を獲得した与党・保守党を率いるボリス・ジョンソン首相が13日、ロンドン中心部で勝利宣言した。その中で同首相は、選挙公約に掲げた欧州連合(EU)からの離脱の達成を改めて支持者らに約束した。

英PA通信によると、EU離脱の是非が最大の争点になった選挙戦は保守党が650議席中364議席を獲得。最大野党・労働党の203議席を大きく上回り、単独過半数を確保して圧勝しました。

結局はEU離脱を望んだイギリス国民

国民投票でEU離脱を選択したものの議会では過半数を獲得することができずに何も決めることができない状態となり一向に進んでこなかったEU離脱ですが、今回はEU離脱派の保守党が単独で過半数を獲得したために、EU離脱が一気に進展すると考えられます。

時期としては1月が濃厚でイギリスと経済関係がある企業は、短期的には日本でも混乱が予想されます。

EU離脱が現実味を帯びたことで、EU残留を望んできたスコットランドではイギリスからの独立派が勢いを増している。スコットランドの独立を目指す地域政党のスコットランド民族党(SNP)も、大幅に議席を伸ばしたようだ。SNPのニコラ・スタージョン自治政府首相は、選挙中は独立の主張を抑え気味にしてきたが、依然として2020年に独立を問う国民投票の実施を求めていることに変わりはありません。

北アイルランドに関してもイギリスに残留するかアイルランドに編入するかで意見が分かれています。

イギリスの正式名称はグレートブリテン北部アイルランド連合王国という豆知識もいずれ使えなくなり、サッカーのようにイングランドとスコットランド、ウエールズなどが別れていくでしょう。

イギリスは他のEU諸国と違って中東と陸でつながっていないため、EU離脱によって移民・難民政策をコントロールすることができます。

EUに所属していると徴税がEUに吸収されて、EUの中では豊かではない国に分配されます。

2016年の数字を見ると、英政府はEUに131億ポンド(163億ドル)を拠出したのに、EUから受け取ったのはわずか45億ポンド(56億ドル)程度。

これによってEU内の格差は縮小しても、イギリス内の格差は拡大。

最も裕福な所得グループと最も貧しい所得グループの投票率の差が1987年イギリス総選挙では4%だったのが2010年イギリス総選挙には23%に拡大しているのです。

2兆円程度は国内の所得配分にまわすことができるうえに、税収も増加するので国内格差が縮小するとEU離脱派は主張しています。

アジア情勢にも大きな影響がある

イギリスは航空母艦を南シナ海、東シナ海に巡航させる計画があり、香港問題に関与する計画があります。

また、ロイター通信は 安倍晋三首相は13日午後、都内で講演し、環太平洋連携協定(TPP)に関し、英国がジョンソン首相のもと加盟するならば心から歓迎したいと述べた。米国離脱後のTPP交渉を踏まえ、日本は自由貿易の旗手として貿易ルールを作る側に回ったと指摘したと報道しています。

2018年にも安倍総理は
「日本は英国のTPP参加を心から歓迎する(略)EU離脱で欧州市場への玄関口としての役割を失っても、グローバルな強みがある」とコメントしていてイギリスをTPPに手招きしていますから、裏でこの時点からある程度の話は出来ていたのかもしれませんね

EU離脱に伴う香港問題へのイギリスの介入とTPPの加入の共通点は、反中国政策といえます。

EUはドイツを中心に経済的に中国に依存した状態が続いていますが、中国の経済成長は停滞していてEUも沈み始めています。

そこで、中国よりもアメリカと組む決断をしたといえます。

日本は来年に中国共産党の習近平国家主席を国賓として迎えるらしいですが、そのうち中国とアメリカのどちらかを選ばなければいけなくなる可能性がありますが、これが日本にとっては最悪のシチュエーション。

そこで、日本は第3勢力を形成していきたい。

もし、イギリスがTPPに加入すると世界のGDPの20%の経済規模となり、アメリカの25%、中国の15%に匹敵する経済圏となりますから、大きな力となるでしょう。

また、オーストラリアと日本が主導するインド太平洋構想というものがあり、「自由で開かれたインド太平洋」は、2016年8月にケニアで開催されたTICAD VIで安倍首相が提唱したもので、米国、豪州、インド、インドネシアなどが続いています。

安倍首相のTPPへの歓迎はインド太平洋構想にイギリス(香港)を巻き込みたい狙いがあるとみられます。

イギリスとしてもEUとの経済関係が縮小した際に輸出先を確保したいので、TPP加入はメリットが大きいですね。

ネットの声

英国下院選挙でボリス・ジョンソン圧勝。「ブレグジットを終えて、前に進もう」というスローガンが有権者の心をとらえた。合意なきブレグジットが避けられたとはいえ、欧州全体にとっては、大損失。英国はグローバルな規模で進む右派ポピュリスト運動の、欧州での最初の犠牲者。

これでボリス・ジョンソンは公約であるEU離脱へ一直線である
彼の本音は、離脱が現状の課題を解決するのではなく、離脱後の新たな課題に早く立ち向かうことが国益に繋がるということだろう
特に金融政策
間違いなく外資は英国から逃げ出すので

英国総選挙で歴史的勝利を獲得したボリス・ジョンソン首相だけど、公共放送BBC受信料制度の廃止を公言した事で、遠く離れた日本で熱烈に支持を受けている事は知る由も無いだろう。

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