ロシアがデフォルト間近だけど、デフォルトって何?どうなるの?
企業は倒産、人間は自己破産するように、国家も「倒産」「自己破産」に陥ることがあります。
この場合は「デフォルト」と呼ばれており、国債を償還できなくなった状態のことを指します。デフォルトは英語で、意味は「滞納」や「不履行」、「怠慢」といった意味をもちます。国の収入は、法人税や所得税、消費税などの税収の他にも国債があります。国債とは端的に説明すれば国家の借金の事を指します。国債の金額に合わせて利子を売り出すパターンや、額面よりも少し安い金額で振り出して、満期になると額面通りで買い取るというパターンの国債もあります。もちろん、借金ですので原則としては利息をつけて将来的には返済しなければなりません。(利息をつけるのが原則ですが、日本を含む一部の国は利息をマイナスにして発行しています。)ロシアは年初に8%台だった10年物国債利回りは2月中旬から急上昇し、14%に迫っていて利息の支払いだけでも苦しいですね。この借金を返せなくなったのがデフォルトという状態です。
ロシアがデフォルトするとどうなるの?
デフォルトした国は、新たに借金ができないので緊縮財政により国家の財政を無理にスリム化するので、年金や社会保障、軍事力は維持できなくなります。公共インフラも一部機能しなくなるでしょう。公務員の給料も下がり雇用も維持できなくなります。資産も対外資産を持っていない大半の国民は残された生活資金の価値を大きく損なうことになります。
ロシアで暮らす日本人Youtuberがデフォルトに備えて中古車を購入していましたが、デフォルトするとルーブルの価値が暴落するので、現物資産に変えておくことがリスクヘッジとなります。このように現金の信用がなくなると、さらにインフレになると予想するので、高値でも家電製品や家などをすぐに購入しようと考える人が増えるので、物価が上がり続けます。
政府は国の借金の返済や公共サービスの維持のために無理に通貨を発行するので通貨の量が増えて、価値が減ります。
このように物の価値が過剰となり、通貨の価値が過少となるスパイラルになるとハイパーインフレと呼ばれる状態となります。
トラック1台分のお金があっても買えるものはコーヒー1杯になることも歴史をさかのぼるとありました。
経済は一度底まで落ちると普通は回復します。日本も戦後にハイパーインフレになりましたが、その後に高度成長期を迎えます。しかし、ロシアは大復活する希望が見えません。
この記事で書いたようにロシア経済はすでに構造的にボロボロでした。
財政を健全な状態を戻すのと並行して、為替の問題は発生します。インフレにより相対的に自国通貨の価値が暴落するので輸入などが厳しくなります。ロシアはエネルギーと食料は自給できるので、最低限の生活を続けていくことは難しくないでしょう。自動車や家電製品など輸入品は超高額となります。また、インフレによって相対的に賃金や物品価格が他の国よりも低くなるので輸出産業にとっては有利になります。しかし、ロシアからの輸入に関しては各国政府、企業はレピュテーションリスク(信用リスク)が伴うので避けられる状態は続くでしょう。
通貨安を武器にして輸出産業を促進、そこに海外資本などの投下を伴って景気は再び回復傾向になりますが、今回のロシアは世界中を敵に回したので回復は遅いでしょう。
ロシアは98年8月にデフォルトを経験しています。ロシア政府は98年8月17日にルーブル建て国内債務の不履行を宣言し、対外債務を90日間支払い停止としました。いずれもデフォルト(債務不履行)と定義されます(※)。加えて、ルーブルの対米ドル相場の許容変動レンジを拡大し、事実上のルーブル切り下げを行いました。その後、エネルギーや資源の輸出で経済は回復していますが、前回のロシアのデフォルトはアメリカの金融クラッシュが引き金となっていて、国際社会が救いの手を差し伸べましたが、今回は侵略戦争が引き金となっており国際社会の経済制裁が長引くと輸出産業はしばらくダメなままですからダメージは長期化するでしょう。
しばらく世界経済はロシア抜きになります。
ネットの声
ロシアやばいほど経済的に追い込まれてるけど これヤケクソになって第三次世界大戦や 核ミサイルぽちーってしないか不安になるわ このままだとデフォルトするやろ
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