
日本サッカー協会は14日、東京都内で理事会を開き、2021年開幕の女子プロリーグを新設することを決めた。6~8クラブを想定している参加クラブの要件は今後詰める。現在の国内トップリーグのなでしこリーグは、アマチュアとして存続させる。新リーグは日本代表「なでしこジャパン」の強化や女子サッカーの普及に向けた起爆剤として期待され、7月に設立準備室を設置して検討を進めてきた。
21年というタイミングについて、須原清貴専務理事は「東京五輪の翌年ということが大きいポイント。世の中のスポーツ全体の機運が高まった中で、その直後にやらせていただきたい」と説明しています。
ラグビーの新リーグも東京オリンピック後に始動する予定でプロスポーツ界に東京オリンピック後、大きな波が訪れることは間違いありません。
なでしこリーグはアマチュアリーグとして存続
なでしこリーグの現状は観客動員数は平均で2000人~3000人。
企業チームとJクラブの女子チームが共存していて、プロ選手は日本代表クラスに限られています。
2011年にワールドカップでなでしこジャパンが優勝して以降に、門戸を広げて競技の普及を図ってきたことの弊害として、チーム数が多くなりすぎて放映権収入が取れなくなっており、現在はyoutubeで無料配信しています。
しかし、ネット配信が普及した現在では地上波の枠に入れなくてもDAZNのような媒体と契約することもできますが、全試合を放送するにはチーム数が多すぎます。
そのためプロリーグは6~8チームでスタートする予定ですが、プロ化しても大丈夫という資金力と観客動員数があるのはINAC神戸ぐらい。
プロリーグ化が成功するかどうかはJリーグクラブがどれだけ本気で女子サッカーに関わるかにかかっています。
専用スタジアムを所有しているガンバ大阪、セレッソ大阪、柏レイソル、鹿島アントラーズは女子サッカーに参戦しても採算が取れる可能性が高いチームですが女子チームを所有しているのはセレッソ大阪のみ。
自前の専用スタジアム建設予定のサンフレッチェ広島も長期的には女子チームを成功させるための条件が揃っていますが、2021年には間に合いません。
なでしこリーグ5連覇中の日テレベレーザも渋谷の専用スタジアム建設構想がうまくいけが2025年辺りには成功できるでしょう。
浦和レッズレディースは埼玉スタジアムは女子サッカーチームには大きすぎるという問題もありますが、男子チームの人気が高いので可能性があるチームですね。
ベガルタ仙台、アルビレックス新潟は男子チームの経営でいっぱいいっぱいですし、大きなスポンサーがつけばという感じでしょう。
今後、Jリーグが女子チームとの連携を深めるために女子チームをプロで保有しているクラブにはDAZNからの分配金が増えるというインセンティブを与えるかもしれません。
これは聞いてた話なんだけど、
— 吉野有香⚽️ゆかサル (@yukachin_next) November 14, 2019
各チーム1年間に8億円ないと
ダメなんだって。
どっからそのお金出るのだろう。。
リーグからは1億サポートしてくれるのだそう。
なでしこリーグから参入したいと手を挙げているチームも2チームくらいだとか。
でかいスポンサーついた新チームができるの? https://t.co/9kIXGAJu3e
最悪のシナリオは2年前までのバスケットボールのように2つのリーグに分裂することですが、女子サッカーがこれをふせぐためには、プロリーグが稼げるリーグとなりトップ選手がプロリーグの方を目指すようにする必要があります。
ヨーロッパで大ブームとなっている女子サッカー
ヨーロッパサッカーは成長が行きつくところまでいったので、新しい市場開拓のために女子サッカーに投資しています。
ヨーロッパはサッカー自体の人気が日本とは桁外れであり、国内リーグが視聴率50%を超えるような国もあって、女子サッカーをやってうまくいくだけの人気と資金力がすでにある状態です。
人気と資金がJクラブよりけた違いにあるヨーロッパクラブが女子サッカーを本気で売り出したので、ここ数年で人気が爆発しました。
ヨーロッパが成功しているからといって日本で上手くいくかどうかが不透明なのは結局はサッカー人気と国内サッカーリーグの歴史が違いすぎるからです。
昨シーズンの女子サッカーの最多観客動員はスペインで6万739人。イタリアで3万6000人でありすでにJリーグクラスのリーグに成長しています。
ヨーロッパではここ数年、男女平等に対する社会的な流れがどんどん強くなってきており、その影響はスポーツ界にも出てきている。また、ナイキやアディダスといったスポーツメーカーにとってはプロモートの対象として「女子スポーツをサポートする」というのは、非常に費用対効果が高い。
女子サッカーは安いスポンサードで注目を集めることができているし、企業にとっては投資効率が良いわけです。
日本の女子サッカー選手のレベルは高いので、このままではなでしこジャパンに選ばれるようなトップクラスの選手は日本のプロリーグより先にヨーロッパを目指すことになるでしょう。
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ネットの声
リーグ分裂と勘違いしてる人がいますが、分裂ではなくてこれはJリーグが出来た時と同じ考え方です。
現、なでしこリーグがJFLのイメージな感じです。
疑問だなぁ
なでしこ1部のクラブのプロ化、というか個々の選手のプロ化もまだまだなのに
再来年になでしこリーグとは別にプロリーグねぇ
まず、なでしこ1部をプロ化するのが建設的だと思う
6~8チームという女子のプロサッカー新リーグはどんな顔ぶれになるのか。ベレーザ、INAC、レッズレディースあたりにはリーグの格の意味で入ってもらわないと困る。一方で成績よりも経営体力重視だろうから現なでしこ1部のチームとは限らない。サプライズで新チームというのもあるのか。