東アジア人が新型コロナウイルスに強い可能性。
世界で猛威をふるうコロナウイルスですが、これは人類が初めて直面した大流行ではなかった可能性が高く米国アリゾナ大学の研究チームが行った広域のDNA調査の結果、2万5千年前に東アジアの人々は、コロナウイルスの大流行にさらされていた可能性が発見されました。
東アジアでは、世界でも比較的コロナウイルス蔓延が緩やかでしたが、その理由は古代に直面したパンデミックに関連があったのかもしれません。
東アジアでは過去にコロナウイルスの大流行を繰り返していた?
遺伝子には、現代の私たちに関する情報だけでなく、数万年前にさかのぼる進化情報も含んでいて、今回の研究チームの1人、アリゾナ大学で生態学と進化を研究するデビッド・エナード助教授は、「ウイルスが、ヒトゲノムにおける自然淘汰の主な推進力の1つになっている」と述べています。
研究チームは、コロナウイルスと相互作用することが知られている420のヒトタンパク質に着目し、調査を行うと、このうち332のタンパク質は、現在Covid-19を引き起こす原因となっている「SARS-CoV-2」ウイルスと相互作用します。
これらのタンパク質は、ウイルスの細胞内の複製を手助けすることになりますが、逆に細胞がウイルスと戦うための助けとなる場合もあり、このタンパク質をコードする遺伝子は、絶えずランダムに変異していますが、変異によって遺伝子に利点がもたらされる場合(つまりウイルスと戦う能力が向上する場合)、次世代に受け継がれる可能性が高くなります。
研究調査の結果、東アジア系の人々のこれらのコロナウイルスと相互作用するタンパク質からは、時間経過とともに予想されるよりも多くの突然変異が見つかりました。
それは、古代の祖先たちが、なんらかのウイルスに対して抵抗した結果であると考えられ、この調査で研究チームは、分析した420個のタンパク質のうち42個が、約2万5千年前に頻繁に遺伝子変異を始めていたことを発見したと報告しています。
この傾向は、約5千年前まで続いており、2万年という長い間、古代のウイルスが東アジアの人々を脅かし続けていたと示唆され、新型コロナにも強い理由なのかもしれないとのことです。
これが本当であれば多少は安心ですね。
What happens in the first few days of SARS-CoV-2 infection? https://t.co/N3MeSyXNg4
— Stray (@K9FCR) May 4, 2021
ネットの声
古いオリジナルのSARSコロナウイルスが日本にも入ってきたはずなのに流行しなかった。また、中国本土からも突如として消えたのと、何らかの関係があるのかも知れない。 元々、遺伝子レベルでコロナウイルスに対して、強化されてきたのが東アジア人?細胞性免疫を担うHLA-A24が有利なのか?
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