タクシードライバーの高齢化が進んでいた中、近年タクシードライバーの運転手の平均年齢が低くなりました。

それはなぜなのでしょうか。

東京のタクシー運転手に若手参入の動き?

東京でのタクシー運転手の年齢層が若干ではありますが低くなったことが明らかになりました。

東京ハイヤー・タクシー協会が発表した情報によると、2018年度末の東京都内の法人タクシーでの乗務員の平均年齢は58.2歳となっています。

https://www.instagram.com/p/ByPAG5Kh_uU/?utm_source=ig_web_copy_link

 

前年度が60.0歳であったことを踏まえると、0.2歳ですが低くなりました。

たったそれだけではないか、と思われるかもしれません。

しかし、低年齢化は実は2年連続です。

また、日本で高齢化が進み、タクシー運転手でも高齢化が著しく進むことが懸念されてきた中で、この数値は好意的に受け止められるべきと言えます。

 

そもそもタクシー運転手は、別の仕事を退職後にセカンドキャリアとして始める方が多い傾向にあることから、どうしても運転手の年齢が高くなりがちです。

平均年齢は2000年度の場合、52.1歳でしたが、2016年度には58.6歳になりました。

 

15年の歳月でプラス6.5歳となり、一気に高齢化が進行したと言えます。

 

危機感を募らせていた矢先の数値の減少。一体何が起こったのでしょうか。

タクシードライバー平均年齢低下のヒミツ

その答えは、大手のタクシー会社の新卒採用の拡大や、車両台数の減少による社員の年収の増加などがあります。

理由について、もう少し細かく検討してみましょう。

まず、新卒採用の拡大についてです。

タクシー会社の新卒採用は、実は非常に少なかった過去がありました。

 

大手の一つ、日本交通の場合、2013年には6名のみの新卒採用でしたが、2016年には143人と大幅増枠をさせます。

2017年以降も、150人程度を毎年採用し続けています。

 

ただ、単に採用を拡大したのみでは、若者はなかなかタクシー運転手という職業を選ばないのではないでしょうか。

若者に就職してもらうには、どの企業でもそうですが、給与や待遇、仕事へのやりがいなど、何かしら魅力を感じてもらうことが必須です。

その魅力となったことの一つとしては、ワークライフバランスの重視という側面があります。

 

タクシー運転手の勤務形態は、勤務日と休日を交互に繰り返す隔日勤務となることが主流で、仕事と休日のオンオフをつけたい若者からは好まれやすいと言えるからです。

 

また、規制強化により、タクシーの台数を減らしたことで、社員の平均年収も増加。

 

2008年度に3万7671台となっていたタクシーの台数ですが、2018年度に3万768台と、約7000台の減少となっています。

また、2010年には348万円となった東京のタクシー運転手の平均年収は2018年に470万円へと増加したのです。

 

給与水準の向上に伴い、若者がタクシー運転手という職業に魅力を感じやすくなる流れができつつあると言えます。

 

さらに、ITの導入による動きも大きいと言えます。

配車アプリの導入などにより、AIを活用して効率的に乗客の獲得が可能になっているのです。

 

実は、東京のタクシーの場合、90パーセント以上が道を走っている時に呼び止められることでお客様を乗せる、いわゆる「流し」によりお客様が乗ってきます。

逆に言えば、「ただ走っているだけの移動時間」もそれなりにあるということで、限られた時間でいかに効率よくお客様を獲得していくかは東京のタクシーの課題でありました。

 

さらに、経験上人を乗せやすい道を知っている運転手、時間ごとに「穴場」を知っている運転手が収益を拡大し、若手や経験の浅い運転手はなかなか収益が伸びないという問題も起こっていました。

 

DeNAの統計では、ドライバーの生産性の差は高いドライバーと低いドライバーで約2倍となるというデータもあります。

 

そこで考えられたのが、DeNAによる配車アプリ、MOVです。

MOVでは、様々なデータを元に、乗車が見込めそうな地域を地図で示してくれる機能があり、経験の浅い運転手でも効率的にお客様にサービスを提供できる体制を作り上げたのです。

 

MOVでは、過去のデータのみならず、当日のイベント情報、気象情報などのリアルタイムの情報も踏まえて、乗車が見込めそうな地域を予想してくれる優れものです。

 

収益拡大により乗客の側もタクシーがつかまりやすくなり、タクシー会社側も空車の時間を減らしてもらえる。収益も増える。給与も上がる。

お互いにメリットのある関係性が見えてくるのが嬉しいところです。

ネットでの反応

このニュースそのものに対するネットでの反応はそれほど見受けられませんでした。

ただ、タクシードライバーという職業に対するネットでの評価は、決して好ましいものばかりではありません。

若手のタクシードライバーの中には、「若いのになぜ」「両親はなんと言っているのか」「どこの大学出身なのか」など、好意的でない質問を興味本位でされることを当初苦痛に感じたという方もいらっしゃいます。

ですが、入社してみると意外と人間関係が良好、働きやすい、などの声も聞かれます。

タクシー会社に対するイメージも、ゆくゆくは変わっていくのかもしれません。

おすすめの記事