終活という言葉が定着してきています。近くに頼れる人がいないまま最期迎える高齢者も少なくありません。

そんな「おひとり様」の終活を応援するサービスをチェックしてみましょう。

高齢者のおひとり様増加を踏まえた終活サービスとは?

サービスを導入するのは自治体もそうですが、民間企業でも導入の動きが見られます。

終活向けのサービス内容としては、安否確認、見守りに加え、納骨、葬儀など、亡くなった後のことまでサービス内容として含まれています。

 

仕組みが目指すところとしては、安心して、周囲に迷惑をかけずに老後を過ごせることにあります。

 

背景には、遺骨の引き受け手がいないケースが増えていることがあります。

 

神奈川県横須賀市では、70代の男性が残した書き置きが注目されています。

 

書き置きには、「手元にあるのは15万円のみである。火葬して無縁仏にしてほしい。引き取り手がいない」という内容が書かれていたと言います。

この書き置きを読んだ市の福祉担当の方は、涙が出てきました。

 

実は、当時の横須賀市では、低所得の高齢者に対して、費用を支給して葬儀や納骨を行うサービスを始めていたばかりであったといいます。

このサービスが本当に行政として必要なのか、お金を払ってまで利用する方がそれほどいるのか、手探りでの開始だったと言います。

 

 

その中での書き置きです。

現実には、低所得と呼ばれる人でも、自身の供養代に20万~30万円を置いて亡くなる方の存在は意外にあるのだと実感したそうです。

 

さて、サービスの開始の背景には、やはり遺骨を引き取ってもらえないケースが増えていることにあります。

2000年になる以前には、同市では毎年10件に満たない件数でしたが、2014年には60件の報告が寄せられます。

また、純粋な身元不明の方は意外にも少なく、多くの遺骨は身元がはっきり分かっています。

 

ただ、身元が分かっているからと言って、私語の手続きを行ってくれる人がいつかは別の話です。

身寄りがない、もしくは疎遠である場合、身近に死後必要な手続きを行ってくれる方が不在と言うことになります。

 

この場合、市が埋葬して納骨堂に骨をうつすことが通例でしたが、市の財政負担になり好ましくはありません。

納骨堂のキャパシティも限界があり、すでに飽和状態に達しつつあります。

 

こんな状況下で始まったのが、前述の「エンディングプラン・サポート事業」です。

利用する条件は、「低資産(預貯金225万円以下など)」「低資産(預貯金225万円以下など)」「低所得(月収18万円まで)」などです。

 

利用に当たっては、葬儀や納骨の希望を聞き、延命治療の要否、緊急連絡先などの情報を提供してもらいます。

25万円で生前契約を結び、葬儀会社を紹介する同サービスには、地元の葬儀社10社が提携を申し出てました。

2019年3月までに40人の登録があり、そのうち9人は葬儀、納骨がなされたといいます。

 

同サービスは経済的に余裕のない方が対象ですが、経済的に条件に該当しない方からサービスを利用したいという声が聞かれました。

経済面での悩みとは関係なく、死後の手続きに不安を持っている方は一定数存在することがうかがい知れます。

 

所得による違いとして、経済的に条件に該当しない場合は、民間業者への委託が可能だと言います。

その上で、結果や情報は市が集約する形が好ましいのではないか、というのが市の担当者の見解です。

また、新たなサービスとして終活情報登録伝達事業が2018年から開始されました。

このサービスは通商わたしの終活登録と呼ばれ、11項目の情報を自由に登録できるサービスで、病院や警察から問い合わせがあると回答が可能な体制を作ることが目的にあります。

 

項目としては、エンディングノート、墓の所在地、緊急連絡先、遺言の所在場所などからなります。

2018年11月に登録者がはじめて亡くなり、登録情報により親族は全員火葬に間に合うことに成功したことで、このサービスによる成果も出始めているようです。

 

2019年7月現在の登録は120件ほどです。また、問い合わせも続いており、今後利用の拡大をすべきサービスと言えます。

高齢者のおひとり様は本当に増えているのか?

高齢化が進み、核家族化も進み…。

高齢夫婦で暮らす場合もあれば、愛するパートナーに先立たれて1人暮らしとなっている方、パートナーの長期入院や施設暮らしに伴い一人で暮らす高齢者など、高齢者の1人暮らしはめずらしいことではなくなっているのが現状です。

厚生労働省の統計によれば、65歳以上の人がいる世帯の中で、単独世帯は27.4%となっています。

過去最多の数値です。

 

高齢者の夫婦だけの世帯を含めると、60%近くに達します。

3世代同居は1割ほど。核家族化と世帯構造の変化が数字からも見て取れます。

 

今回の横須賀市のサービス導入も、このような時代の変化に合わせたサービスと言えるでしょう。

 

なお、同様のサービスの導入は他の自治体でもなされはじめ、千葉市や東京都の中野区、大和市なども実施しているそうです。

ネットでの反応

ネットでは、高齢化を身近に感じる、という声が見られます。

高齢者がシニアライフを始めようとすると、不動産業者が家を売ってくれない…。

事故物件になるのが怖い…、といういう思惑が見え隠れしていたそうです…。

 

おひとり様になることはいずれ誰にも避けられない時代がくると、多くの方々はうすうす感じているような反応があります。

老後でもつながれるコミュニティ、自分の居場所、頼れる人の存在、ゆるいつながりの場。

これらをどのように築いていくのかが、今後の社会の重要なテーマの一つだということが感じ取れます。

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