夏休みが近づき、多くの大学では高校生向けにオープンキャンパスが開かれます。

大学側はどんな工夫を行っているのか。チェックしてみましょう。

大学が実施するオープンキャンパスの独自の取り組みとは?

まず取り上げるのが、立命館アジア太平洋大学の事例です。

大分県にある同大学は、在籍する学生の半数が留学生と、国際色豊かな大学です。

 

2019年の場合、入学試験の変更を見据え、大学教育の手法を体感できるオリジナルのプログラムを導入しました。

その名も、「ロジカル・フラワー・チャート」です。

 

ロジカル・フラワー・チャートとは、思考の過程を可視化したもので、図面に描かれている花の構成部分に役割を持たせたものです。

 

花の根に「問い」、咲いている花の箇所に「仮説」を入れます。

そして、問いから仮説に至るまでの部分に該当するものを入れていき、どのように仮説構築を行っていくかを体感できるプログラムとなっています。

立命館アジア太平洋大学では、翌年のAO入試で、このチャートを活用した小論文が出題されます。

 

AO入試は、アドミッション・オフィス入試の略で、多様な人材に入学してもらえるために、従来の筆記試験以外の手法も取り入れて入学者を選抜する入試の一つです。

オープンキャンパスにてこのようなカリキュラムが取り入れられたのは、大学で学ぶ意義を早めに体感してほしかったという狙いがあるようです。

高校生はオープンキャンパスを活用するようになっている?

高校生は大学のオープンキャンパスに参加するものなのでしょうか。

 

リクルート進学総研が2019年6月に公表した調査結果では、高校生1人当たり3.9校の参加がみられると言います。

高校側も参加を促していることもあるのかもしれませんが、以前よりも大学を実際に見てみようという流れがあることは事実のようです。

 

このような傾向を踏まえ、大学側も少しでも多くの高校生に来て欲しい、そして大学の魅力や、大学で学ぶことの魅力を感じて欲しいという願いも強くなっていくのかもしれません。

 

リクルート総研の同調査では、高校生がオープンキャンパスで知りたいことについても触れられています。

 

調査によると、「勉強できる内容」「入試の方法や難易度」「実際の授業の様子や雰囲気」「キャンパスの雰囲気」を知りたいと考える高校生が多いと言います。

 

学年別の高校生のオープンキャンパスへの参加率はどうでしょうか。

調査に寄れば、1年生における参加率は47%、2年生になると71%まで上昇します。

 

背景には、大学入試制度の変化があります。

入試の定員のうち、従来の筆記試験のみで合格者を決める枠を減少させる大学も多いです。

AO入試や学校推薦の枠が増えます。

その他、最後のセンター試験が2020年に行われた後は、新たな大学入学共通テストが始まります。

 

大学側としても、変化に対応して優秀な学生をたくさん入学させたいという思いは強いですし、高校生の側としても、新時代に適した大学を選びたいという気持ちを持つのではないでしょうか。

 

大学のキャンパスの雰囲気を知ってもらおうと、在学生の声を活用する動きも出ています。

京都市内にある京都産業大学では、在学生の協力の下、バスとウォーキングによるキャンパスツアーを企画しています。

 

キャンパスライフの楽しみ方を在学生の声により知ってもらおうという狙いがあるようです。

国際基督教大でも、学生とオープンキャンパスの来場者が相互に話せる場を増やす姿勢が見受けられます。

 

学生によるトークライブや、会場案内にも学生スタッフを多く採用し、気軽に在学生と話せる機会を増やしています。

また、地方の大学でも遠方から来場者に来て欲しいと、なんと費用を支給する例があります。

宿泊費、交通費を支給してくれるというのですからありがたいものです。

 

前述の立命館アジア太平洋大(大分県)でも、宿泊費と交通費を補助するパッケージツアーがあります。往復航空料金、宿泊費を入れて1人で45000円のツアーとなっています。

そのほか、広島工業大や東北学院大は各地から無料送迎バスを設定します。

 

オープンキャンパスの運営は大学側から学生主体へと変化が起こっているのが実情です。

また、来場者の高校生も、大学に実際に足を運ぶ動きが強くなっています。

 

大学側も、在学生による相談会を実施したり、仮想現実技術を活用して、自宅からオープンキャンパスに行った気になれる取り組みも出てくる勢いを見せています。

高校生がオープンキャンパスに参加するに当たり、親が同伴するケースも多くなっています。

女子の場合は60%、男子の場合は40%ほどの保護者が同伴で訪れるそうなのですが、親が参加するメリットも大きいです。

大学は自己責任、とはいえ、学費を負担し通学中に子供を扶養するのは親です。

当然金銭面での話しが絡んでくるため、利用できる奨学金や、教育プログラム、留学支援などの、保護者目線で知りたい情報を知ってもらい、納得して大学を選んで欲しいという願いが保護者にもあるためです。

ネットでの反応

オープンキャンパスを楽しんだり、多くの学校に行ってみたいという反応が見られました。

ただ、各大学がどのようなオリジナルの取り組みを行っているか、という視点では高校生は当然見てはいません。

オープンキャンパスをきっかけに、いかに大学に対して何か感じるものをもってもらうか、それにより受験者数も変わってくるのではないでしょうか。

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