ロシアのウクライナ侵攻の背景は、経済的なパニック。年金制度は破綻寸前
ロシアの事実上のウクライナへの侵攻は多くの有識者が想定してたものとは違った。
当初は、ロシアよりの識者はプーチンは合理主義だから、ウクライナのNATO(アメリカを中心とした欧州軍事同盟)の加入を防ぐ交渉のためのブラフでウクライナ侵攻は行わないだろうという見方だったが、あっさりウクライナ侵攻しちゃいました。今後はウクライナ東部のみではなく、ウクライナ全土の占領を狙いに行く勢いです。
任期が終わる独裁者と産業がなくなる国家
政治的に見ればウクライナの欧州化をめぐるロシアと欧米の争いだが、再生可能エネルギーへのシフトとそれに伴う原油価格の動きという経済的な問題も絡んでいる。
ロシアはアメリカとサウジアラビアに次ぐ産油国であり、天然ガスの産出量も世界第2位である。ロシア経済は韓国程度のGDPしかないため完全に原油に依存しており、原油価格が下落すると軍事費が大きい国が維持できない。ロシアにとって原油価格は高めで安定していることが望ましいわけだ。戦争によって短期的には価格は上昇しているが売れないのでは意味がない。また、長期的にも希望がないのは全世界的な再生可能エネルギーへのシフトである。
今後、再生可能エネルギーの普及により石油需要が大幅に減少した場合、ロシア経済は成り立たなくなってしまう。これはサウジアラビアなど他の産油国にとっても同じであり、需要があるうちにできるだけ高い価格で原油や天然ガスを売っておきたいとの意向が働く。
中東は日照量が大きいために太陽光発電にもシフトできるが、ロシアは太陽光発電も風力も難しい。
ロシアの年金制度はすでに破綻寸前であり、目先の金が必要な状態だ。
経済規模が縮小してエネルギー大国としての地位も低下したときにロシアに残るのは軍事力しかないが、軍事力しかない国は信用されず、孤立を深めていくことになる。
ロシアのウクライナへの侵攻は大国となった中国に近いというよりも、北朝鮮のミサイル発射のやり方に近い。
国際社会が相手にしないので、軍事力にものを言わせて注目を浴び、国内のガス抜きを図る。
プーチンの任期はあと1年で、政治的にひっくり返されることを恐れているために、強硬手段に出て国内的なアピールをする必要がある。
今回の出来事を俯瞰的に見た場合、ユーラシア大陸の新秩序形成の一環と解釈できる。政治的にはロシアと欧州の関係が再定義され、経済的には産油国と消費国の関係も再構築される。
日本からすると実際の当面の脅威は中国であり、ロシアが勝手にオウンゴールをして弱体化することはどうでもいい話です。
ネットの声
『外交交渉で平和が守れるならば、ウクライナがロシアと外交交渉した時点でウクライナの平和は守られるはずです。 それができないから、軍事力で、各国が平和を守ろうとしているわけです。 「外交交渉で平和が守れる」がいかに非現実的かが証明されています。』でも成り立つことに気づいてないんだなあ
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