科学が挑戦する分野は多岐に渡ります。

犬が飼い主に懐いているかどうか、鳩がモネとピカソの絵画を区別できるか否かなど、実にユニークな研究もあるのです。

それならば、多くの人が頭を悩ませる「初デート服」に関しても何か役立つ科学があるのではないのでしょうか

残念ながら、この分野に関する研究は成熟していないようです。

「この分野に関しては、多くの研究者が断念してきました。現実性の高いものを得ることが余りにも難しいからです」

とデラウェア大学でファッションと衣類に関する研究を専門とする教授、ジェヒ・チョン氏はハフポストに語っています。

立証性の高い研究を行うためには、同じレベルの魅力の人を集め、研究対象である「服」以外の条件を一定に揃える必要があります。

そもそも「魅力」の基準は個人の主観によって異なるため不可能なのだそうです。

「『魅力』の基準を揃えなくては、体格と服の両方が結果に影響してしまいます」

とチョン氏は続けます。

とはいえ、デートでの着こなしに関する確証付きのお役立ち情報もいくつかあるようです。

以下にそれらの研究結果を紹介するので、是非初デートのコーディネートの参考にして欲しいですね。

「男は赤が大好き」説は本当?

「男は赤が大好き」という説は有名です。

2008年にアンドリュー・エリオット氏とダニエラ・ニエスタ氏が行った研究によれば、女性が赤い衣類を身に纏っている時の方が、他の色を纏っている時と比べて、男性はその女性をより魅力的だと評価したというのです。

つまり、赤に身を包んだ女性は男性の目により魅惑的に映るということです。

この傾向は世界共通で、人間以外の霊長類(猿など)も、雌が排卵期に入り臀部(でんぶ)が赤くなると、本能的に引き付けられるそうです。

「なんと言うか…多くの女性が唱える『性に関して男は動物』という主張を立証する結果になりましたね」

とエリオット氏とニエスタ氏は研究結果の発表時にコメントを添えています。

黒も人気

「赤は似合わない」「ちょっとセクシー過ぎる」

など、いまいち赤へ手が伸びない人に朗報。

デートでは黒も人気なのです。

この検証結果はイギリスの恋愛リアリティ番組『First Dates』を分析した結果に明らかになったものだということです。

2018年に、リンカーン大学のロビン・クレイマー氏とトレント大学のジェリカ・マルグルー氏が研究チームをつくりました。

そこで『First Dates』視聴の為に割り振り、計500組以上の男女2人が実際にデートに出掛ける様子と、デート前日のインタビューの様子を、その服装に着目しながら観察したのです。

その結果見えてきたのは、デート当日には赤を着て来る女性が多かったのですが、前日のインタビューでは逆に黒を着ている人が多かったのです。

これはつまり変に魅惑的になって勘違いさせてしまわないよう、敢えて「当たり障りの無い」色の服を選ぶ人が多かったということになります。

クレイマー氏は、これは特に不思議な傾向ではないとハフポストに語っています。

「赤は相手に『その気』があることを伝えるサインにもなり得るので、それを避けつつ『安全』に自分の魅力を伝えたい時にはうってつけの色なのでしょう」

とのことです。

なりたい気分になれる洋服を着る

服装は脳にも作用する。2012年にNorthwestern researchersのハヨ・アダム氏とアダム・ガリンスキー氏が行った研究では、対象を服装によって2分しています。

1グループは白衣を着た人たち、もう1グループは特定の職業に関連のない服装の人に分けると、白衣を着た人の方が、与えられたタスクをよりよくこなしたそうです。

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つまり、気になる人の服装が無意識的に個人の思考や振る舞いに関係しているという説はこじ付けではなさそうです。

例えば、ハイヒールは文化的に女性らしさやセックスアピールに関連しているので、ハイヒールを履けば、人を惹きつけるような仕草に繋がるのかもしれません。

同様に、オーダーメイドのスーツと既製品のスーツのような僅かな違いでも、自信や成功の感じ方が変わってくるのです

メイクは「程々」が1番

2011年に複数の大学とダナ・ファーバー癌研究所、米一般消費財メーカー『P&G』の科学者によって行われた合同研究の一環。

研究参加者にすっぴん、薄メイク、程々のメイク 、ばっちりメイクの4種類の女性が映った写真を見せました。

その結果、すっぴん以外の写真を見た参加者は、化粧の程度に関係なく写真に映った女性に能力や魅力を感じたというのです。

面白いことに、化粧の程度によってその人へ抱く好印象や「信頼できそう」という気持ちに変化がありました。

研究を先導していた人物の1人、ハーバード大学のナンシー・エットコフ氏がNew York Timesに語ったところによると、程々の化粧が最も安全な選択肢のようです。

「ばっちりとメイクを決めたなら、自分が魅力的に映っていることを意識できるでしょう」

と彼女は言っています。

しかし長い目で見れば、

「少し信頼感に欠ける印象があるかもしれません。そのため信用を得たいのであれば、違ったお化粧法で行った方がいいでしょう」

と続けたのです。

ライターのブリントン・パーカー氏は、科学的根拠は一切ないものの、かなり説得力のある実験をマッチングアプリのTinderで2014年に行っています。

彼女はアプリ上に、全く同じ情報を入力したアカウントを3つ作り、顕著に異なる濃さの化粧をした自身の写真をそれぞれのアカウントのプロフィールに貼りました。

その結果、パーカー氏はBustleに寄稿した記事の中で実験結果を

「厚化粧をした写真を使ったアカウントよりも、すっぴんの写真の方に多くの男性が集まった。しかし、最も興味を示されたのは標準的なメイクをした写真のアカウントだった」

と結論付けています。

何よりも「自分らしく」

チョン氏は、私たちが日常の中で服装を選ぶ際、どうしても他者を意識してしまう傾向についても指摘しています。

「意識の対象が特定の個人であれ、大勢の人であれ、これは日常における容姿の管理行動なので仕方がないことです。ただ、服は飽くまでも服に過ぎず、誰かに着られた時に初めて意味を成すのです」

つまり、恋愛を求めるファッションで大切なのは「適切」な服装よりも、服を身に纏う自分にとって心地よく自信をくれるような「自分らしい」服装を心がけることのようですよ。

ネットの反応

「服のデザインやその人に似合うかどうかによるけど、あまり気合を入れないで、その人らしい服を着るのが一番だと思う。」

「赤は赤でもワインレッドとかならとても良いけど、巫女さんが着てるような蛍光カラーの赤はちょっと…」

「服は好きなデザインや色のでいいから、スッピンで来てくれないかなー。見た目を騙されない為に。笑」

『性に関して男は動物』これはまさにその通り。男は、そういう風に進化して来たのです。

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