日本にいると実感がない世界の深刻な水不足と日本も対岸の火事ではない理由。

国連のWFP=世界食糧計画の担当者はNHKとのインタビューで「来年は世界の人口を養うために十分な食べ物がない状況に陥る可能性がある」と述べ、危機的な状況は決して終わっていないと訴えました。

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世界は今年は記録的干ばつ

世界各地で今年発生している記録的な干ばつで河川や貯水池が干上がり、世界最大の再生可能エネルギーである水力発電が打撃を受けている。中国・欧州・米国では、ダムの水を利用した発電の減少により全体の発電量が低迷しています。。このため一部の地域では、工場や精錬所が何週間も続けて操業停止に追い込まれた。米カリフォルニア州の送電網は今週、2020年以来最大となる停電の危機に直面。EV車の普及で電力需要が記録的な水準に高まったことに加え、水不足に陥った水力発電所などからの電力供給が不足したためです。各国政府が化石燃料からの転換を進めたものの、気候変動により自然エネルギー源の信頼性が揺らぐ中、原子力発電も問題を受けています。故障したときの冷却水が川の水不足で確保できないためフランスの原子力発電は半分稼働できていません。ヨーロッパのエネルギー危機はロシアのウクライナ侵攻だけが要因ではなくダブルパンチとなっています。

中国やメキシコ、東アフリカ諸国のほか、ヨーロッパでは60%以上の地域が干ばつの危険にさらされていて、EU(ヨーロッパ連合)によると過去500年で最悪の水不足です。イギリスでは24日から、家庭でのホースの使用が禁止されるなど市民の生活にも影響が出始めています。ロンドン支局の中村航記者のもとにもホース禁止令が届きました。通知を見ると、庭などへの水やり、水遊び用プールへの水入れ、ホースでの洗車など水を多く使う行為が禁止されています。違反すると最大16万円(1000ポンド)ほどの罰金となる可能性があります。オランダ政府はシャワーを5分以内で済ませるように要請をかけました。深刻な水不足は農業にも打撃となります。

日本への影響

日本では起きている食糧価格の高騰はメディアでは円安の影響で輸入価格が上がったと報じられます。間違いではないですが、世界的な水不足による農業の不調で国際的な食料品価格そのものが上がっています。一方で日本の食料品価格の高騰は他の先進主要国と比較してかなりましな状況にあるのは日本が水不足に陥っていないからです。国内の食糧自給率は66%なので国内の農業が通常運転できていることは大きいですね。また、水不足に陥っていない地域は日本、韓国、東南アジアですが、これらの地域とは自由貿易協定を結んでいて周辺国も水不足に陥っていないことも日本があまり影響を受けていない要因となっています。

地球温暖化になると海に囲まれている国は海水温が上昇して雨が降りやすくなり台風や洪水のリスクが高まります。陸地に囲まれていると干ばつのリスクが大きくなります。

水資源を豊富に使える条件は降雨量が多いことと山地が多いことです。山地は貯水能力が高く、降った雨をじわじわと土にしみこませていきます。例えば北海道の山は雪解け水が流れてくるのは8月で山の存在は降雨量が多い時期と少ない時期の調整役も担ってくれるので日本では1年間を通じて水不足に陥りにくいのです。ちなみに日本の国土の7割が山で韓国も山が多い国です。

東南アジアは山は少ないですが降雨量が圧倒的に多いので水不足に陥る心配はありません。そこで東南アジアの余った大量の水を海外に運ぶ事業が昔から考えられてきましたが、水は意外に重く燃料代を考えるとビジネスにこれまではなりませんでした。今後さらに水不足問題が深刻化するとこのビジネスも軌道に乗るかもしれません。

ネットの声

新たな熱帯低気圧が発生、日本の南海上を北上へ
中国の長江沿いの重慶などの乾燥、水不足に分けてあげたい

 

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