東京オリンピックのマラソンは札幌開催へ!

IOCは東京オリンピックのマラソンと競歩の札幌開催を決定。東京都は一方的な決定だとして反発を強めています。

国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は17日、ドーハで東京五輪のマラソンと競歩の会場について「IOC理事会と大会組織委員会は札幌市に移すことに決めた」と、二者間では合意に達したとの認識を示しました。

マラソンは陸上の100m、サッカーの決勝と並んで夏季オリンピックの注目競技ですが、東京ではなく札幌となった理由を紹介します。

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ドーハの悲劇が背景に

先月に行われた世界陸上ドーハ(カタール)大会では、

女子マラソンはスタート時、気温32度、湿度74%。68人中、途中棄権は28人で完走率が60%を割ったのは大会初。

7位の谷本を指導する天満屋の武冨監督は「2度とこういうレースは走らせたくない。昼やっていたら死人が出たのでは」と非難しています。

スタート時気温31度、湿度74%の男子50キロ競歩も完歩率は約61%。前回大会覇者、リオ五輪王者も含め、46人中18人が棄権。

「地獄だった」と表現した選手もいて、大きな批判が大会の運営に浴びせられました。

これを重く見たIOCは東京オリンピックでも暑さを懸念して、東京から札幌開催を決めたのです。

東京では8月の早朝開催が予定されていて、気温は28度~32度、湿度70%程度が予想されていて、ドーハと環境に大きな違いが無いうえにドーハは深夜に行われたので、なかった太陽光が東京開催ではあるので、ドーハよりも暑くなる可能性もあります。

しかし、ドーハで行った大会では、日本の選手は、日本の夏とは比較にならないというコメントも多かったので、数字では表れない中東の暑さはあると思いますが、東京も暑いのは確かですし、国内にもっと涼しい場所があるならそこで開催しろという側の気持ちも分かります。

札幌開催になると気温24度~28度、湿度55%程度となるのでまだマシになりますね。

札幌はエアコンが付いていない家も多いくらい夏はそれなりに涼しいですし、特に湿度が東京とは違うので、まとわりつくような暑さはなくマラソン、競歩には向いているといえるでしょう。

札幌市・中田雅幸スポーツ局長(55)は「北海道マラソンで培った経験やノウハウを求めれば提供したい」と話した。実務者会議を北海道と札幌市が中心となり、関係団体を含めて随時開催していくといいます。

北海道マラソンの開催実績も豊富でコースも交通整理も北海道マラソンの経験を活かせば、準備期間は短いですが、問題なく開催できるのではないでしょうか。

たしかに気候や選手の安全の面では札幌開催の方が合理的です。

しかし、オリンピックまで1年を切った段階で札幌開催となるのは、東京開催のための準備は何だったんだということになってしまいますね。

東京とはマラソンコースのアスファルトでは暑熱対策を実施して舗装をし直すなどマラソン、競歩へ向けて出来る限りの準備を進めてきましたが、水の泡となってしまいます。

東京都にも非がある

IOCのトーマス・バッハ会長はカタール・ドーハで行われた各国オリンピック委員会連合(ANOC)の総会でのスピーチで、2020年東京五輪のマラソン・競歩種目の開催会場について

「札幌に移すことを決めた」「IOC理事会は、東京の組織委員会と密に相談しながら、五輪でのマラソンと競歩種目を、東京から800キロ北にあり、気温が5~6度低い札幌に移すことを決めた」「全てはアスリートの健康と体調を守るため。重要なステップだ」

と発言しています。

言っていることには一定の正しさはあると思いますが、決定に至るまでのプロセスで東京都の小池知事には事前に説明すらなかったといいますから、「IOCのいう事は絶対」という関係性なのでしょうね。

この力関係では、ビジネス的にもおいしいところはIOCが持って行くことは容易に想像できます。

すでに販売されたチケットの扱い、選手の輸送や宿泊などについて議論し、札幌開催の可否を検討。

東京都の小池百合子知事は

「涼しいところというなら、北方領土でやったらどうか」

と発言するなど怒りを露わにしていてあまり協力体制ではないですし、経済的な負担は拒否しそうです。

移行が実現した場合にかさむ運営費などについては、IOC側に負担してもらうよう意見していると組織委員会は発言していますが、札幌と東京で負担について押し付けあいにならないことを祈りたいですね。

札幌市としても、自ら立候補したわけではなく、札幌以外に選択肢が無いので勝手に選ばれた立場ですから、経済的な負担は基本的には最低限に抑えて、IOCが負担するのが筋だとは思いますが・・・。

IOCのオリンピックをやらせてあげるというような上から目線が気に食わないところが個人的にはありますが、東京都にも非があることは認める必要があるでしょう。

東京はオリンピックを誘致する際に、東京は最適な気候とプレゼンしていて、あらかじめ気温の高さというリスクについて説明していたとは言い難く、触れずに招致した経緯があり、その点では東京都にも非がありますから、IOCはそこを突いてきて、負担を負わない可能性もあります。

問題なのはチケットはすでに完売していて、北海道マラソンのコースでなければ短い準備期間では開催は難しいとのことですが、北海道マラソンのゴール地点はスタジアムではなく公園なのでチケットを売ることは出来ません。

チケットは払い戻しとなり、新たに販売するチケットもないとなると、経済的な損失は大きいですが、誰が負担することになるのでしょうか?

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ネットの声

女子マラソンのA席チケット30000円で購入したので、札幌になると観客としても非常に困ります。

元々不可能なことをゴリ押ししようとしていた連中があーだこーだ言ってる。マラソンコースの耐熱舗装に無駄な税金を数億かけた連中は、いさぎよく責任とれよ。

IOCが東京から札幌にマラソンと競歩の会場を移す提案をしたことに感謝してる声があるが、そもそも彼らが「お得意様のアメリカ放送局がスポーツ繁忙期じゃない真夏(競技に向いてない)を望んでるから7月〜8月の期間を設定」したことが元凶なわけで、むしろIOCの商業主義を批判すべきなんだよ

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