BALMUDA (バルミューダ)の落日…最終赤字20億円で大幅人員削減
バルミューダ、20億円赤字で大幅人員削減へ。
SNS上で飛び交う「意識高い系御用達のイメージ商法がバルミューダフォンで崩壊」との辛辣意見。
バルミューダの決算報告
電機メーカー「バルミューダ」が先日の決算で、2023年12月期の連結最終損益が20億円の赤字になる見通しだと報じられたことが、大きな波紋を呼んでいます。
12億円の赤字だとした従来予想から赤字幅が拡大した格好です。
最終赤字は20年12月の上場後初めてとのこと。
また、売上高は前期比24%減の133億円、営業損益は13億円の赤字と、従来予想をそれぞれ26億円、8億3,000万円下回りました。
同社の寺尾玄社長は
「非常事態と言わざるを得ない。固定費の圧縮などを通じ24年1~6月期には黒字化を目指し、早期に成長基調への回帰を目指す」
と語っています。
また、来期にかけて数十人規模の人員削減を実施することも明らかにしたということです。
お部屋にバルミューダのトースターがあるんですけどおしゃんすぎでは♡ pic.twitter.com/IiRFFiLvfi
— あおせ (@milkkapuriko) November 19, 2023
“転落”の契機となったスマホ事業への参入
2010年に発売した「GreenFan」でDC扇風機ブームの先鞭をつけ、
さらには2015年発売のスチームトースター「BALMUDA The Toaster」も大ヒット商品となるなど、
高価ながらも洗練されたデザインと画期的な機能を持つ家電を、これまで多く世に出してきたバルミューダ。
2020年にはマザーズ市場への新規上場を果たし、その直後には上場来高値となる1万610円の値を付けた同社株だったのですが、
11月13日の終値をチェックしてみると1,566円と、往時の勢いは今や見る影もないといった状況となっています。
そのようなバルミューダ“転落”の契機となった出来事として、多くの人々が指摘しているのが、2021年のスマートフォン事業への参入です。
同社が満を持して発表した「バルミューダフォン」だったのですが、
発表直後の時点で丸みを帯びた特徴的なデザインへの好き嫌いが分かれたのもさることながら、
何よりもスペックが当時のミッドレンジレベルに留まったうえに、
価格のほうは今までの同社製品と同様に強気の設定だったということで、多くの人々から酷評を受ける事態になりました。
バルミューダフォンで化けの皮が剥がれたって人多いよね。自分もそのクソスマホでB社の存在を知った。検索したら辛辣すぎる。 pic.twitter.com/LrBYslB03c
— hiro🍮 (@soramamenp) November 14, 2023
その後、販売店では一時「2年24円」という破格値プランで投げ売りされていたというバルミューダフォン。
一部のファンからは捲土重来を期待する声も上がっていたのですが、
結局は次期モデルが出ることはなく、2023年5月に原材料価格の高騰と円安を理由に、スマホ端末の開発・販売から撤退することとなりました。
コーヒー入れ終わるまで5分かかるみたい✨
全部録画しようと思ったけど長すぎてやめた🤣🤣#バルミューダ #コーヒー pic.twitter.com/61lQOk1vGH— -nukotan- (@peko_nuko) November 13, 2023
稼げる事業がない現状
コストの苦しさだけではなく、日本国内の売上高も大幅に減少している点が気になるところです。
中心の事業と考えられるキッチン領域でも減少しているのも苦しいところでしょう。
1つの事業が苦しくて足を引っ張っているというよりも、現状では稼げる事業がないのです。
なお同社は決算発表の最後に「小型風力発電機の開発」をあげています。
もちろん期待はできると思います。
しかし、まずは本業のキャッシュの流出を止めること。
人材の圧縮も現時点ではやむなし。
そのうえで、キッチン関連を復活させることでしょう。
家庭用の商品強化を図ることが第一なのです。
非難轟々BALMUDA PHONEですが一点だけ良い所があって、それはサイズ。東京生活には丁度良い。
満員電車の中でも片手操作が可能。
電車で隣の席の人と揉めてるオッサンを見かけますが、大概スマホ両手で弄ってて肩や肘が隣の人を圧迫してるパターン。
バルミューダフォンなら肘はぶつからない👍 pic.twitter.com/tJ04AeEzWB— inassey (@inaina1969) November 15, 2023
実際に4万円を超すホットプレートはさまざまなメディアで話題になりました。
予想を超える売上になったのです。
生活者の質の向上に寄与する商品ならば、日本の消費者に着実なニーズがあります。
商品力の提案の維持は欠かせないのです。
そもそも、同社が狙っていた市場は、ニッチで消費者を選ぶ、しかしながらロイヤルティー(忠誠心)が高く商品単価も高い領域だったはず。
多少の不景気や消費マインドの変化はあったとしても、継続して選んでもらえる“指名買い”に強みがありました。
そして、同時に他施策の展開も必要かもしれません。
たとえば業務用への進出や、アジア以外の輸出・現地展開など。
日本+家電+オリジナリティならば、まだ勝負は可能でしょう。
もともとトーストあたりでは、バルミューダの、尖った、スタイリッシュでスマートなイメージを抱いていた消費者が多かったように思われます。
それが現在では、スマホ事業の撤退あたりから、さほどそういったブランドイメージをもっている消費者は少なくなりました。
なかなか家電の分野でラディカルなイメージをもち続けるのは難しいかもしれません。
ただ、それでも同社の健闘に期待したいところ。
中国メーカーのように単なる量産型ではない、家電メーカーの新たな姿がそこにあるのですから。
バルミューダ充電する時の効果音がカッコイイ件についてw pic.twitter.com/9iq1bbrqjC
— イトカイ🐣🍳 🎯 (@ANIKAI0813) November 13, 2023
ネットの声
「バルミューダのスマホが出てから一気に陳腐化したイメージです。見た目も中身も時代遅れのスマホを自信満々に出した事で、メーカーへの信頼度が一気になくなりました。有名となったトースターも、追随するように他社メーカーから、安く、より美味しいトーストができる製品も出てきて、バルミューダが欲しいとはならなくなってきてる気がします。他の製品も、デザインで高いだけで性能は微妙というイメージをもっています。」
「バルミューダが狙っている市場は、多少高価だが機能性がシンプルで且つ高性能な商品だと思います。しかしスマホはどうか?半年も経てば型落ちとなり、一年経てば旧スペック、二年経てばアプリによっては作動が困難なものまで出てくる。
そういう市場に参入したのは、バルミューダの方向性から乖離してますので、完全に失敗だった。家電製品も、大手が直ぐに真似をしてバルミューダ以上を作ってしまう現状においては、中々に厳しい現実が待っているように感じます。」「バルミューダは高いけどシンプルで高性能というイメージで売っていたと思いますが、そういう商品を好む層はそうれなりにいます。ただ、そういう層は商品が出ると直ぐに飛びつくので一時的にはかなり人気になって売れるかわりに長くは続かないように思います。」
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