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中高年のテレビ離れが深刻!テレビ視聴率が前年比2.5%低下。新聞は1年で230万部減。

中高年のテレビ離れが深刻!テレビ視聴率が前年比2.5%低下。新聞は1年で230万部減。

2024年4月のテレビ視聴率の最終データが発表されました。前年同期比ですべて局のすべての時間帯で前年同期比がマイナスとなっています。もっとも視聴率の下げ幅が少ないのはNHKでした。また、ゴールデンタイムの下げ幅が他の時間帯よりも大きくなっているのも特徴的です。

昼、NHKの下げ幅が少なく、夜、民法の下げ幅が大きくなっているわけです。

おおよその局で全日よりもゴールデンタイムやプライムタイムの方が下げ幅が大きいことから、テレビがよく視聴される夜の時間帯で視聴者が離れている状況が確認できます。特にTBSでは、ゴールデンタイムよりもプライムタイムの方が下げ幅が大きくなっています。23時ぐらいまで放送するタイプのドラマなどの集客力が落ちたといえるでしょう。

ドラマはTVerで好調で今年3月の月間動画再生数は4.5億回を突破し、過去最高を更新していますが視聴率に換算すると微々たるものです。

主要キー局の合計視聴率は前年同期比で2.5%減少しており、これは200万人程度TVを見ている人が減ったことを表しますが、TVerで補うことは難しそうですね。

ちなみに、TVerの収入がテレビ広告の収入減を補えるようになるまでの期間を、テレビ局や総務省関係者らは「死の谷」と呼んでいるとのこと。

一般的には、ベンチャーなどが事業を黒字転換させるまでの期間を指す言葉で、開局から半世紀以上が経つテレビ局も目下、その“谷”にはまってしまっているわけです。

TVerがテレビの視聴率低下を将来的に補うことができるかも定かではありません。TVはyoutubeと比較すると広告単価が圧倒的に高く権威やブランドイメージで広告価値を底上げしていますが、TVerにはそこまでブランド力がなく、CMを差し込む回数も受動的に見ているTVと比較すると少なくなってしまいますので、視聴回数が増えても広告費は伸びにくい構造です。

ネットの動画コンテンツも飽和状態で、youtube、ABEMA、Amazonプライム、ネットフリックスなどはすでにアクティブユーザーが大きく伸びる状態ではなくなっており、TVerの成長余地もそこまで残されていないでしょう。

新聞も前年比で230万部減ですが、収入源を補うと期待されたデジタル分野はすでに成長が止まっています。新聞販売数は前年比7%減でスポーツ新聞は10%減とTVよりも衰退は顕著となっています。

先進国では新聞社がテレビ局を保有することは禁止となっていますが、日本では主要テレビ局はすべて新聞社と同じ資本であることが、既得権益となってきましたが、同時に衰退すると崩壊に拍車がかかってしまいます。

現在のテレビ界における成功番組

昨年放送されたドラマのVIVANTは、多くの話題を呼びTVerの再生回数は記録的でしたが、制作費が高く話題にはなったものの視聴率はそこまで高くありませんでした。

TVerでいくら再生されてもTVの広告費とは雲泥の差で、VIVANTの成功もビジネス的に成功だったかは怪しいといえるでしょう。

現在のテレビでビジネス的に成功させるなら、制作費を削って誰も不快にならないグルメ番組やyoutubeで話題になったびっくり映像を流すことが最適解でそういった番組が増えています。

制作費をある程度かけて成功した番組の例は、6月29日に放送されたフジテレビ系『土曜プレミアム BABA抜き最弱王決定戦』です。

個人全体視聴率として6.3%、コアターゲット(男女・13~49歳)6.4%を獲得。今年放送した『土曜プレミアム』枠としては、個人・コアともに最高視聴率を記録。

番組ホストの相葉雅紀、えなりかずきのほか、有村架純、井上尚弥、黒柳徹子、小池栄子、仲野太賀、松本潤、目黒蓮(Snow Man)、山田涼介(Hey! Say! JUMP)ら総勢22人がババ抜きをするという企画でした。

誰でも参加できるシンプルな企画を行うことで、若い世代に人気がある旧ジャニーズのアイドルや俳優を中心に、若年層に人気があるスターを集め40代以下の視聴率を獲得しています。

一方でもっともテレビを見ている数が多い50代以上は無視したような内容でした。

今後は中高年のTV離れが加速する?

近年、TV局はこれまで無視してきた若年層へ意識的にアプローチを進めてきていますが、実際にTVを見ている人数は中高年が圧倒的に多く、今度は中高年のTV離れを引き起こしてしまっています。

TV局各社は2年ほど前から、従来型の世帯視聴率(TV所有世帯のうち、何世帯が視聴したかを示す割合)よりも、13歳から49歳(局によって微妙に異なります)の視聴率、いわゆる「コア視聴率」を重要視するようになりました。

そうしたのには理由があります。平成の時代はずっと人口の多い高齢者、主に団塊世代がTVを一番長く見る層だったので、彼らをメインターゲットにした番組に一番お金をかけましたし、その想定でスポンサーにお金を出してもらっていました。

ところが、ここ数年は団塊世代がそんなにお金を使ってないことが判明してしまいました。ということは、団塊世代向けの商品でTVスポットを打っても効果が少ないわけです。

であれば団塊世代は切り捨てて、番組づくりそのものをもっと若い人向けにしよう……ということで出てきたのが、「13歳から49歳の視聴率を重視」という発想。

団塊世代のタレントや司会者の世代交代は、このようにして起こりました。

高齢者である彼らは番組のメインターゲット(13~49歳)から外され、かつ同世代出演者の世代交代も進んでいるため、見たい番組が減ってしまっています。

それでYouTubeに中高年の視聴者層が流れはじめました。去年の調査ではパソコンを持っている60~80代の56.6%がYouTubeをすでに見ています。

具体的な事例としては、「クラシック音楽好きの方が海外の交響楽団の演奏を検索で探して視聴」「昔の時代劇を見る」「加山雄三のコンサート映像を観る」など。

ひとり暮らしの団塊世代のある女性は、ジャニーズの9人組男性アイドルグループSnow Manの動画を日々あさっています。

見たいときに見たいものが見られるネットの強みは時間がある高齢者層にも合っていたのです。

とはいえ、未だにネットに抵抗がありTVが生活の中心という高齢者は多いですが、今後10年でネットも使いこなせる世代が高齢者の中心となっていきます。

60代以上全体の23.3%がAmazonでの通販体験が、17.5%が楽天市場での通販経験があります。これをパソコン保有者に限定すれば、実に66.0%がAmazonで、46.2%が楽天市場で通販を経験しています。ただし60、70代のみ。80代はほとんど使っていません。今後はデジタル対応できる高齢者の割合が一気に増えることでメディア環境が大きく変化するでしょう。

すでに若年層はTV離れした後なので、今後は人口のボリュームゾーンである中高年のメディア選択が社会を大きく変化させます。

ネットの声

私はテレビのバラエティ好きだからテレビ離れの話題に関して希望を捨てたくないとこれまで思ってたけど、今回の選挙に関してはあまりにテレビの報道が気持ち悪くてそらオワコンですわ!ってかんじだしバラエティが一緒くたに悪口言われてもまあしょうがないでしょと思うようになった