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TBSのジョンソンが低視聴率。こうなるのも仕方がない理由とは

TBSのジョンソンが低視聴率。こうなるのも仕方がない理由とは

昨年10月、TBSのバラエティ番組「ジョンソン」が鳴り物入りで始まりました。レギュラー出演するのは、かまいたち、見取り図、ニューヨーク、モグライダーの4組。いずれもいま勢いに乗っている芸人でした。

TBSは「ジョンソン」を過去の人気番組「リンカーン」の正式な後継番組と位置づけている。「リンカーン」は、主に2005年にスタートして2013年に終了。ダウンタウン、さまぁ~ず、雨上がり決死隊、キャイ~ンの4組がレギュラーを務め、それ以外にも準レギュラー的な扱いで多くの芸人が出演していた本格的なお笑い番組。「ジョンソン」もゆくゆくはそのような人気番組にしていきたいという考えなの

でしょう。

リンカーンのすごさは再現できない

「リンカーン」では「芸人の芸人による芸人のための番組」というコンセプトを掲げていました。「リンカーン」が始まった頃のTBSには、お笑い要素の強い企画を行うようなバラエティ番組がほとんどなく、ノウハウが蓄積されておらず、スタッフも育っていませんでした。

そんな中で始まった「リンカーン」はお笑い界の盟主であるダウンタウンを番組の顔として抜擢。当時のダウンタウンはバラエティで活躍していた敏腕スタッフを連れてくるだけの力があり、TBSにバラエティの文化を植え付けた功労番組となりました。

現在、TVで若者に人気のバラエティ番組といえば、水曜日のダウンタウンですが、リンカーンで育ったスタッフが支えており、ラビットなど「バラエティのTBS」が当たり前の光景になっているのはダウンタウンとリンカーンの功績でもあります。

ションソンの開始は再びリンカーンのような番組を作り、バラエティの文化を若手に引き継ぎたいという意志が見えます。

また、ダウンタウンとさまぁ~ずの共演は当時は珍しかったことを覚えています。それぞれのTV局で吉本製作の番組とそれ以外の番組で棲み分けができてしまい、キャスティングが偏っていたこともあり、東京芸人と大阪芸人の間にはまだ、冷戦構造のようなものが残っていました。

バラエティ不毛のTBSで巨額の予算を投じた大型お笑い番組が誕生したことでリンカーンは、その垣根を取り払う役割を果たしていったと思います。

現在テレビの中心で活躍しているバナナマンやおぎやはぎら中堅芸人もリンカーンでダウンタウンらと絡むことで全国的な認知を得ていった側面も大きく、このような番組がないと、下の世代が世に出るきっかけがなくなってしまうという危機感もあるでしょう。

しかし、今のところ「ジョンソン」は苦戦を強いられています。バラエティ番組の中でもトップクラスに予算をかけている番組なのにもかかわらず、世帯視聴率は1.9%と脅威の低視聴率を記録したことで話題となりましたが、現在も2%台と視聴率は超低空飛行を続けていて、存続が危ぶまれるほどの危険水域に入っているのです。

リンカーンは当時のm-1層 20歳~34歳の男性から圧倒的な支持を受けていましたが、その層は現在のM2層  35歳~49歳となっています。お笑い番組をTVで熱心に見る世代ではすでになくなってきています。

一方で若い世代にとってすでに面白いものを見る媒体がTVではなくなっており、どこをターゲットにした番組なのか不明となっていることが、迷走の原因でしょう。

現在は女性をターゲットしたキス企画みたいなことをやったり、アイドルを呼んで女性視聴者を獲得しようとテコ入れを図っていますが、このような企画をお笑い好きはもっとも嫌います。

リンカーンがはじまったときのダウンタウンは41歳で、現在のかまいたちは43歳と年上ですが、当時のダウンタウンと比較するのは可哀想なまでに格が違いすぎます。

リンカーンは高視聴率番組とまではいかなかったものの、視聴率が10%を切ることは稀で、お笑い好きがコア層として支えていたことと比較すると、現在はテレビ全体の視聴率が下がっただけではなく、若い世代のお笑い好きがテレビを見ておらずダウンタウンのようなスターもいないので、視聴率が低くなるのも仕方がない面があります。

リンカーンはスタートしたときはバラエティ不毛のTBSだったため、企画も編集も下手くそでジョンソンの方がよほど番組のレベルが高いわけですが、リンカーンとジョンソンを比較するとダウンタウンの存在の大きさが改めてわかりますね。

TVがもっとも勢いがあった時代にスターになったBIG3やダウンタウンの影響力に下の世代が敵わないのは、仕方がないことで、おもしろければ解決する問題でもないため悩ましい問題ですね。

ネットの声

ジョンソンが狙ってる視聴者層ってそこだったのか