池袋暴走事故 飯塚幸三被告に禁錮5年の実刑判決 結局上級国民だから優遇されたの?

おととし、東京・池袋で親子を含む11人が死傷した事故の裁判で、東京地裁はさきほど、旧通産省工業技術院の元院長で90歳の飯塚幸三被告に禁錮5年の実刑判決を言い渡しました。池袋暴走事故 裁判で検察側は、過失運転致死傷罪の法定刑で最も期間の長い禁錮7年を求刑、飯塚被告は、無罪を主張していました。

上級国民批判は的外れ

飯塚幸三被告は世間的に大きな批判にさらされました。理由は大事故を起こしたにもかかわらず罪を認めずに車の整備不良のせいにしていたことだけではなく、元官僚で裁判の立ち回り方が上手かったことと健康上の理由で逮捕されないなどの警察の扱いが、偉い人だから優遇されていると見られたためです。

上級国民というワードも流行りました。

刑事事件の場合はすぐに優れた弁護士を手配する場合と判決の直前に国選弁護人と打合せするだけでは、判決までのプロセスで大きな違いが出るのは仕方ないことといえるでしょう。

しかしながら、日本国憲法14条で法の下の平等が定められています。

国民1人1人が国家との法的権利義務の関係において等しく扱われなければならないという観念。平等則または平等原則と呼ばれることもある。

上級国民が腕利きの弁護士を立ててずるく立ち回ったところで、判決は裁判官によって平等にさばかれます。

また、裁判官は日本国憲法76条3項で裁判をするにあたって,法律的にも事実的にも,議会,政府,その他何ものの干渉によっても判決を左右されないこと。すべて裁判官は,その良心に従い独立してその職権を行い,この憲法及び法律にのみ拘束されると定められていて、司法権の独立を保障するために裁判官には特に強い身分保障が与えられている(憲法78条)。

つまり、この国では法律の前には誰もが平等で立場の独立が保障された裁判官によって裁かれますので、たとえ上級国民であっても法律のもとで優遇されることはあり得ません。

国民世論を大きく怒らせたこの事件ですが、結果は極めてまともな判決が下ったといえるでしょう。

ネットの声

有罪が認定され、禁錮5年とはいえ実刑判決が下されたのは当然でしょう。裁判では男の主張は様々な客観証拠で否定されており、車に異常などなく、男がアクセルとブレーキを踏み間違えた事故だと立証されていましたし、90歳と高齢ではありますが、過失の程度や結果の重大性、否認の態度、示談未成立、遺族や被害者の処罰感情などを踏まえると、情状も悪質だからです。むしろ、上限の禁錮7年でも不思議ではない事案でした。

まぁ事実上の終身刑ですかね。
実刑になったとしても高齢を理由に刑が執行されない可能性もあると
言われていたので、あとはちゃんと執行されるのを待つのみです。
華やかな経歴を持ちながら「晩節を汚す」の意味を体現したような人生でしたね。

Twitterでフォローしよう

pick up