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大学入学共通テストでTOEICが参加見送り?民間の英語試験導入は妥当なのか

TOEICが共通テスト不参加

大学入学共通テストでTOEICが参加見送り?民間の英語試験導入は妥当なのか

大学入学共通テストで導入される民間の英語試験について、TOEICが参加を見送るという発表がありました。

新制度に対し、テストの日程面などで対応が難しいことなどが理由として挙げられています。

大学入学テストに英語を導入する動きは今後スムーズに進むのでしょうか。

TOEICが共通テストに参加できなかった理由

TOEICが共通テストに参加できなかったのは、大学入試センターからの要望に応えられなかったからとしています。

特に、日程面での調整が難航したことが理由とされます。

大学入試の種類も多様化しており、一般入試や推薦入試などの時期の違いに合わせた成績の提出に応じることが難しいようです。

 

特に、推薦入試などで早期にスコアの提出が求められる一部の受験生に対して、それに合わせて対応するのが困難だとされています。

また、TOEICの運営は日本だけで決めて良い問題ではなく、試験日程を他の国との兼ね合いの中で決める必要があります。

 

他国とも調整の上、日本の入試という独自の都合で試験日程を大きく変更するわけにもいかないというのが現状です。

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また、TOEICのテストでは「聞く・読む」、「話す・書く」のテストを別々に実施しています。試験日程も当然異なります。

そんな中、今後導入される共通テストにおいては、読む、書く、聞く、話すのすべての技能が求められるため、2種類のテストを組み合わせて活用したり、試験日程を近づけるなどの工夫も求められます。

 

これらの工夫を行うことはTOEIC側にとっても負担となり、大きな変更を強いられるのが現状です。

 

同時に、負担は試験の運営を困難とし、受験者全体への迷惑がかかる恐れがあるとされています。

以上から、TOEIC側としては共通テストへの参加をさしあたり見送る決断をしたというのが、一連の経緯です。

 

大学入試センター側はテストの一体運用を求めていたのに対し、TOEIC側は2種類のテストのスコアの合計を提出することで対応するつもりであったなど、双方の認識が食い違ったまま検討が進んでいたことも明らかになりました。

共通テストに参加する英語試験とは?

共通テストに参加予定の英語試験は、2019年7月3日現在は以下の6団体です。

英検
IELTS
GTEC
TEAP
TEAP CBT
TOEFL iBT

なお文部科学省としては、今回のTOEIC離脱を受けて共通テストの運用方針の修正に向けて動いています。

 

いったんはTOEICの参加を予定していたゆえに、2020年3月までに取得したスコアであれば認める方針を出しています。

 

また、基本的に高校3年生時に試験の受験が求められますが、離れ島や受験会場が近くない受験生を対象に、高校2年生時のスコアを活用可能とする方向性も示されています。

ネットや世間からの評価 各試験の評価方式や教育格差の観点からの不安の声も

今回のTOEICの参加取りやめを受けて、高校生への悪影響が心配されています。

 

すでにTOEICのスコア取得に向けて準備を進めてきた受験者にとっては、異なる試験へと試験勉強方針を変更する必要性が出てきます。

受験者のみならず、共通テストに向けたTOEIC対策を行っている学校側としても、授業方針や授業内容などを変更する必要性が生まれます。

 

また、複数の英語試験を共通テストにおける英語試験の代替として用いることに対する反発も見られます。

 

試験ごとに求められる「英語力」は違う性質のもので、それらの試験のスコアを一概に比較する事への懸念がある、

 

共通のテストを行うことにより比較がしやすくなり公平性が増す、

というのが、反発の趣旨のようです。

 

また、共通テストにおける民間試験の導入は、地域間での教育格差を生むという声もあります。

まずは受験料です。語学試験の受験には、数千円から数万円程度のお金がかかります。

 

地方の受験生の場合、試験会場が近くにない可能性が高く、交通費を要して遠くの試験会場まで試験を受けに行かなくてはなりません。

 

受験機会の問題もあります。

結果的に、首都圏や都市部に住む方や富裕層の方が受験機会に恵まれ、チャンスが増えることになります。

 

試験により実施地域や頻度も異なりますが、やはりこの点でも地域により受験のチャンスが異なります。

 

さらに、試験ごとに実施時期や回数が異なることから、試験計画をたてて勉強することが難しい状況があるようです。

民間の英語試験の導入に当たっては、教育格差や機会の平等も考えた上で、受験回数や地域による格差などの是正にも配慮した体制作りが求められていくと言えます。