アメリカが世界の警察を辞めた後は平和ではなく戦国時代がやってくる?
アメリカは軍事的にも経済的にもまだ一番ではありますが、世界中を黙らせるほどの圧倒的な力は持っていません。
そのため、これまで担ってきた世界の警察を辞めるといわれていましたが、トランプ大統領が遂に公式に世界の警察止める宣言をしてしまいました。
アメリカがいるから世界が平和にならないといっている人が日本のメディアには多く、そういった主張を持つ人は在日米軍の撤退を望んでいます。
しかしながら、アメリカが世界の警察を辞める宣言をしたとたんにトルコはシリアに侵攻を開始しました。
トランプ大統領禁断のツイート
2019年10月9日は、歴史的な日として記憶されるかもしれません。
トランプ大統領がこのようにツイートしました。
「アメリカ合衆国は中東における戦闘行為、治安維持に8兆ドルを費やしてきた。何千人もの我々の偉大な兵士たちが命を失ったりひどい怪我をしたりした。敵方では何百万人もが死んだ。…中東に行くという事は我が国の歴史において下された決定の中で最悪のものなんだ!偽りで、今や証拠すらない大前提に基づいて我々は戦争に行ったんだ。それは『大量破壊兵器』ってやつだ。そんなものは全く無かったんだ!今、我々はゆっくりと、そして注意深く我が偉大なる兵士、軍隊を故郷に運んでいるところだ。我々の目指しているものはもっと大きな世界なんだ。今、アメリカ合衆国は過去のいかなる時よりも偉大なんだ!」
同じ共和党のブッシュ政権時代のイラク侵攻を否定して中東に介入しない意向を示しました。
実際にシリア北部からの米軍撤退しています。
これまで、民主党は中東への軍事介入は否定的で共和党が積極的だったわけですが、共和党後任のトランプ大統領がこのようなツイートをするとアメリカは中東に軍事介入しないと宣言してしまったようなものです。
この日、トルコのエルドアン大統領はイラク侵攻を開戦宣言。
すでに空爆を行っています。
これまで米軍はクルド人部隊と協力してテロリスト集団の「自称イスラム国」を封じ込めてきましたが、トルコがイラクのクルド人地区を攻撃するとイスラム国が復活する可能性があります。
トルコのシリア作戦強行。クルドに同情的な米欧社会のトルコ批判が強まり、クルド勢力拘束下の10,00人のIS戦闘員と家族の逃亡などの大きな懸念も。エルドアン大統領や与党AKPには2023年の大統領選挙で生き残ることが重要だが、その前にトルコは孤立化する可能性。シリアの混乱とISの復活も懸念される。
— 福田安志 (@sadashifukuda) October 9, 2019
クルド人の背後にはNATO(アメリカ+ヨーロッパ)がいて、トルコの背後にはロシアがいますから、中東ではロシアの影響力が強まっていきますね。
イスラム国掃討作戦に協力したクルド人に対して恩をあだで返した形。
また、アメリカは都合が悪くなったら兵を引くということを軍事同盟国の日本もよく覚えておく必要があります。
アメリカの長期戦略は地域覇権と対中国に集中
アメリカは中国と表向き喧嘩していますが、実際の戦争にはなりません。
これはロシアとの冷戦時代と同様で実際に犠牲になるのは間に挟まれた小国です。
アメリカがシリアから撤退した理由は、おそらくロシアとの冷戦時代に出来た軍事的対立は解消するということです。
もうロシアとの覇権争いは興味が無く、中国との戦いに集中。
これは朝鮮半島も似たような状態で在韓米軍を撤退させる方向で、北朝鮮の核開発を事実上容認しています。
北朝鮮が軍事的に強くなることで困るのは、実際は近い中国の方で同盟国の日本と韓国は勝手にしろというスタンスですね。
そして、ユーラシア大陸のことは関与しない。
これは無人ドローン爆撃機などの開発によって、軍事攻撃する際にはスナイパーのように離れて、急所を狙うことがコストパフォーマンスが最も高い戦術となっているので、中国と陸で接する国に介入することは軍事的に得策ではないんですね。
なので、アメリカ大陸で覇権を握ることが出来れば、いつでもユーラシア大陸はピンポイント攻撃できるので問題ないわけです。
在日米軍の役割は、この点で微妙。
アメリカからするとユーラシア大陸(中国の縄張り)ではなく、太平洋を中心としたシーレーンの確保には役に立つものの、空軍基地を置く必要性は薄まります。(アメリカ本土から行けばよいので)
自衛隊はこの1年でステルス戦闘機を100機購入していますから、空に軍事的空白が出来ないように備えていると見ることが出来るでしょう。
日本として在日米軍が縮小していく流れでできることは、中国と仲良くすることと自主防衛能力を高めることです。
アメリカが日本をいざとなったら日本を守らないのであれば、わざわざ中国からアメリカを守るための最前線になる必要もないので、中国と海を挟んで対峙して均衡できる程度の軍事力を持ちつつ、片手で握手しましょう。
それで困るのはアメリカです。
現在、アメリカが中国に対して強気でいられるのは、GDP2位の中国と3位の日本が組む気配がなく、日本はアメリカの良く言えば仲間であり、都合の良い存在だからです。
https://twitter.com/QuiteGuy7/status/1181898010386501633
メディアでは、印象が違いますが、安倍首相は実はこのように中国との関係を重視しています。
このあたりの動きはアメリカに対しての牽制とも見ることが出来ますね。
とにかくアメリカと中国の新冷戦の鉄砲玉として利用されるのはごめんですから、不必要に中国と敵対しないことが重要です。
この点で韓国も日本も行動原理は同じ。
陸でつながっている韓国の方が、露骨に中国に寄っていて、アメリカから離れているだけなんですが、アメリカから離れていることを批判されたくないので、日本が悪いということにしています。
実は日韓が置かれている状況は似ていますが、軍事的脅威もなくわざわざ仲良くする必要がないですし、日本が何をしようが韓国経済は大変なので、日韓関係はお互いにどうでも良いわけです。
先にアメリカから離れていく韓国がどうなっていくのか、参考にさせてもらいましょう!
そして、周辺国で関係が唯一改善しそうなロシアとの障害は北方領土問題以外ありませんので、北方領土問題に注目しましょう!
ネットの声
トルコのエルドアン大統領は「我々はシリア領土の統一性を保持し地域の人々をテロの苦しみから解放する」とツイートしつつ、トルコ軍がシリアに軍事侵攻し地域の人々を空爆と砲撃で攻撃しているという、とてつもない大矛盾に個人的にも憤りを禁じ得ない。
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