
「寛容の国」北欧スウェーデンでネオナチに源流を持ち、反移民と治安対策を訴える極右の野党・スウェーデン民主党が議会第2党に躍進。 スウェーデンのアンデション首相は14日、11日に実施された総選挙での敗北を認め、辞意を表明した。ヨーロッパは難民受け入れの先進地域であるが、その中でも数量的にもドイツや上記のスウェーデンは大量の難民を毎年積極的に受け入れているので有名である。
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治安の悪化が著しいスウェーデン
1950年代、スウェーデンは外国人法に北欧市民特別条項を設け、まず北欧諸国の市民に自国の労働市場を開放。47年からハンガリー、イタリア、オーストリアとの間で二国間協定にもとづく移民労働者の受け入れを行う様になった。当時600万人だった人口は一気に増加。その後も「黄金の60年代」といわれた高度経済成長を背景に、トルコや南欧諸国から事実上ほぼフリーハンドで政府や大企業が移民労働者を受け入れ続け、実際気づいて見ると1951年から66年の期間に実に約46万人の移民がスウェーデンに移住しました。1970年代にスウェーデンの経済成長には限りが見られ失業率が悪化したため移民の受け入れを中止します。
しかし、1980年代以降は冷戦崩壊とEUに加盟してシェンゲン協定(域内移動自由)のために難民が押し寄せ89年の湾岸戦争後のクルド難民をかわきりに、旧ユーゴスラビア(ボスニア)難民、ソマリア難民、ルワンダ難民、ブルンジ難民、シリア難民、イラク難民、アフガニスタン難民が国内に流入しました。2015年、国民はシリア、イラク、アフガニスタンなどの難民16万3000人を受け入れるという決定を下した時にはスウェーデン国民は難民受け入れに好意的でスウェーデンは「もっとも寛容な国」とリベラル界から称賛されモデルケースとされました。しかし、2016年ステファン・ロベーン首相(当時、社会民主労働党)「スウェーデンが今日のような高いレベルで難民を受け入れることができなくなったことは私にとって苦痛である。これ以上は無理。より多くの人々が他国で難民申請することを選択できるようにする。われわれには休息が必要だ」と難民受け入れ方針を変更を余儀なくされました。
現在では「あまりに多い移民と、あまりに足りないスウェーデン社会への統合」(アンデション首相)の結果、治安の悪化という副作用が激しい。
スウェーデン国家犯罪防止評議会の報告書によれば、この国では過去20年で銃による殺傷事件の発生率がヨーロッパ最低レベルから最高レベルに増え、今ではイタリアや東ヨーロッパ諸国より高くなっている。北アフリカからの移民2世が中心メンバーのギャング団が密輸などで手広く稼ぐようにもなった。国民10万人当たりのレイプ発生件数は1990年から30年で6倍に増加。クルド系経済学者のティノ・サナンダジは著書で、「長期服役者の53%、失業者の58%が外国生まれで、国家の福祉予算の65%を受給しているのも外国生まれの人々」だと指摘している。さらに「スウェーデンの子供の貧困の77%は外国にルーツを持つ世帯に起因し、公共の場での銃撃事件の容疑者の90%は移民系」だという。
スウェーデンほどではないにせよ、移民の急増は社会の右傾化、反動を引き起こす。欧州連合(EU)加盟国の議会でも強硬右派や極右のポピュリスト政党が議席を伸ばすのは珍しくなくなっています。ウクライナ戦争によるエネルギー高騰やインフレで市民の生活が困窮する中、欧州政治は歴史的な転換点を迎えようとしています。
対ロシア政策ですっかり信用を失ったドイツまでEUの理念を捨てるとEUは崩壊していくでしょう。
ネットの声
人口1000万人の国に200万人の移民を入れたスウェーデン。犯罪急増、治安悪化に首相は移民の社会統合失敗を認め、選挙で大敗。日本はまだ引き返せる。が、残された時間は多くない。移民政策を今こそ転換せねば。